釜石市議会 > 2007-12-20 >
12月20日-03号

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  1. 釜石市議会 2007-12-20
    12月20日-03号


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    平成19年 12月 定例会(第7号)            平成19年釜石市議会12月定例会会議録---------------------------------------            平成19年12月20日木曜日--------------------------------------- 議事日程 第3号   平成19年12月20日(木) 定例会         午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問(続)  5   釜石の発展について              3番 小野議員  6 (1) 所信表明演述と市長報告について        17番 山崎議員    (2) 入札制度の見直しについて               〃    (3) 防災について                     〃    (4) 原油高騰への対策について               〃  7 (1) 教育行政について               7番 坂本議員    (2) 医療行政について                   〃  8 (1) 施政方針について               6番 海老原議員    (2) 防災行政について                   〃    (3) 教育行政について                   〃                                     以上--------------------------------------- 本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名…………………………………………………………84第2 市政に関する一般質問(続)  5   釜石の発展について            3番 小野議員…………〃  6 (1) 所信表明演述と市長報告について      17番 山崎議員……… 101    (2) 入札制度の見直しについて             〃  ……… 102    (3) 防災について                   〃  …………〃    (4) 原油高騰への対策について             〃  ……… 103  7 (1) 教育行政について             7番 坂本議員……… 115    (2) 医療行政について                 〃  ……… 117  8 (1) 施政方針について            6番 海老原議員……… 129    (2) 防災行政について                 〃  ……… 131    (3) 教育行政について                 〃  ……… 132--------------------------------------- 出席議員(22名)                 議長   松坂喜史君                 副議長  川崎勇一君                  1番  平野弘之君                  2番  古川愛明君                  3番  小野 共君                  4番  合田良雄君                  5番  小鯖利弘君                  6番  海老原正人君                  7番  坂本良子君                  8番  菊池 孝君                  9番  細田孝子君                  10番  佐々木義昭君                  11番  佐々木 透君                  12番  和田松男君                  13番  水野昭利君                  14番  岩間勘二君                  15番  赤崎光男君                  16番  菅原規夫君                  17番  山崎長栄君                  18番  藤井修一君                  19番  野田忠孝君                  21番  秋元厚子君 欠席議員(1名)                  20番  平松福一君--------------------------------------- 説明のため出席した者              市長      野田武則君              副市長     佐々木重雄君              総務企画部長  岩鼻 弘君              市民環境部長  山崎義勝君              健康福祉部長  野田喜一君              経済部長    佐野善次君              建設部長    岩間正行君              総合政策課長  菊池郁夫君              総務課長    清野信雄君              財政課長    小林俊輔君              広聴広報課長  赤崎 剛君              市民課長    沖 健太郎君              消防防災課長  末永正志君              市民環境部付                      中村 薫君              課長              健康推進課長  山田 守君              地域福祉課長  佐藤恵寿君              商業観光課長  和田利男君              建設課長    福田 博君              下水道課長   阿部 毅君              会計管理者   前川公二君              水道事業所長  芦萱潤一郎君              企業立地推進                      佐々隆裕君              本部副本部長              教育長     河東眞澄君              教育次長    佐々木 諭君              総務学事課長  山下光一君              総務学事課                      佐藤 功君              指導監              総務学事課                      清水啓之君              主幹              生涯学習              スポーツ課   新張英明君              主幹              学校統合                      高田健二君              推進室長              図書館長    中村公一君              学校給食                      栗澤 廣君              センター所長              市民文化                      猪又勝則君              会館長              監査委員    藤原宏昭君--------------------------------------- 事務局職員出席者              事務局長    山崎秀樹              事務局次長   古澤茂樹              議事係長    山崎教史---------------------------------------                午後1時会議を開く ○議長(松坂喜史君) 本日の出席議員は21名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届け出は、20番平松福一君の1名であります。 ただいまから本日の会議を開きます。本日の議事は、お手元の議事日程第3号により進めます。--------------------------------------- ○議長(松坂喜史君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により議長において9番細田孝子君及び10番佐々木義昭君を指名いたします。--------------------------------------- ○議長(松坂喜史君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。3番小野共君、登壇を願います。(拍手) 〔3番小野共君登壇〕 ◆3番(小野共君) 民政会の小野共です。 きょうは釜石の発展とは何なのか、そして何をもって釜石が発展したと言えるのかについて考察し、市長の考える我が釜石の発展についてお聞きいたします。 釜石の発展とは具体的に何のことを言うのか。例えば釜石の発展とは人口がふえたことなのか、市民1人の平均所得がふえたことなのか、平均寿命がふえたことなのか、産業の工業化が進んだことなのか、人口当たりの医者の数がふえたことなのか、出生率が高くなったことなのか、乳児の死亡率が下がったことなのか、1人当たりのGDPがふえたことなのか、有効求人倍率が下がったことなのか、高校生の大学の進学率が上がったことなのかなど、釜石の発展にもさまざまなものがあります。 例えば、今発展の1つとして挙げた産業の工業化は、国内においてある程度歴史的に公害、環境破壊を伴っておりました。一般に、産業の工業化は発展と考えられますが、環境保全を釜石の発展とするのであれば、公害、環境破壊を伴う産業の工業化は発展ではなく後退であります。例えば、大正から昭和の40年代にかけて、熊本、新潟、富山、三重において、4大公害病の発生が確認されております。産業の工業化と環境破壊が連動しているのであれば、産業の工業化を我々がその地域の発展と考えることができるのかどうか、これは全く疑問であります。 平均寿命と平均所得の関係について言えば、平均寿命が延びることは発展でありますが、平均寿命が延びることにより、総人口に占める高齢者の割合が高くなり、結果として労働人口の割合が減り、全体の平均所得が減るということもあります。平均寿命が延びることは発展ですが、平均所得が減ることは後退であります。 また、全国の多くの中小商店街がシャッター通りとなってしまった原因の1つに、生活道路と高速道路が整備され、郊外に大きい駐車場スペースを持つ大型店ができ、消費者がそちらに流れたということがあります。商店街の空洞化は、その地域にとっては後退と考えられておりますが、高速道路の整備は一般に発展と考えられております。 このように、ある地域の1つの現象を見ただけでは、それが発展なのか後退なのか、簡単には判断できないことが多くあります。国単位で見ると、中国の1人当たりのGDPは日本より低いですが、人口1人当たりの医者の数は日本より多いです。人口1人当たりの医者の数が多いことをその地域の発展と考えるのであれば、インドの方が日本より発展しております。インドの1人当たりのGDPも日本より低いですが、西暦2020年、今から7年後のインドの総人口に占める高齢者の割合は日本より低いと予想されております。高い高齢化率がその地域の後退とするのであれば、これもやはりインドの方が日本より発展しております。 野田市長は10月21日、市長選挙の記者会見において、3大基盤が完成した後の地域の発展が最大の願いだとおっしゃっております。これらの事実を踏まえた上で、我が釜石のリーダーである市長が釜石の発展をどう考えているのか、きょうはお聞きしたいと思います。 釜石の発展を考える上で、まず我が国が歴史的に国の発展をどう考えてきたのかを分析してみます。国の経済の情勢を分析することなしに、必然的な地域の発展はあり得ないからです。 昭和37年、我が国最初の開発計画である全国総合開発計画が発表されますが、この発展計画が企画されるに至った当時の国内の状況を分析してみます。 昭和35年、岸信介内閣のもと、新日米安全保障条約をアメリカと結んだ日本は、以後、国家の最優先課題である国土の防衛をアメリカに任せることができるようになっておりました。我が国の防衛費を経済政策に優先的に配分できるようになりました。資源のない我が国が国家として生き残るためには、自給自足するか、外国から資源を輸入するしかなく、そのためには支払いのための外貨が必要でした。 御存じのとおり、世界の機軸通貨を自国の通貨としているアメリカとヨーロッパを除き、貿易の支払いには外国の通貨が必要です。現在の変動相場制のもとで、安定的にそして安く外貨を買うためには、国が政治的、経済的に安定している必要があります。経済的に安定しているとは、全体的に国内において社会が安定し、国内経済が安定成長しているだけでなく、個別的に日本の製品が世界において安定的に取引されている必要があります。日本の製品を輸入した外国企業は、アメリカとヨーロッパでない限り、日本円で支払いをしなくてはいけません。日本の製品が世界で輸入されればされるほど、支払いのため日本円の需要がふえ、そのため円が他国の通貨に比べ相対的に高くなり、結果として日本は安定的に、そして安く外貨を買うことができます。 加えて、現在唯一の大国と呼ばれるアメリカと友好な関係にあることも、為替の変動相場制のもとで日本円が安定的な価値を持ちながら取引されるためにとても重要であるということが言えると思います。これが歴史的に我が国の為替相場が安定してきた仕組みです。 繰り返すならば、資源のない我が国が国際社会の中で生き延びるためには、資源を輸入するしかなく、その支払いのために外貨が必要で、その外貨獲得のために外国から原料を輸入し、国内でそれに高い付加価値をつけて、さらに外国に輸出し、日本円で支払いを受け、その円で資源を買うための外貨を買うという仕組みが我が国が世界的に加工貿易立国と呼ばれるゆえんであります。 加えて、我が国のような加工貿易立国が世界で安定的に成長するためには、世界じゅうの国が安定的に貿易している必要があり、そのためには世界が平和である必要があります。少なくとも島国である日本が物理的に安定的に他国と貿易するために、つまり経済的に我が国が発展するために、昭和35年にアメリカと結んだ日米安全保障条約が歴史的に果たした役割はやはり大きいものであるということが言えると思います。 当時のこのような日米関係のもと、岸内閣にかわった池田内閣は、国家の経済的発展に専念し、国民所得倍増計画を打ち出し、この計画において、内閣は昭和35年当時の我が国のGDP当時13兆6000億、これを10年以内に、つまり昭和45年までに2倍の26兆円にすることを国家の目標としました。輸出により外貨を取得し、GDPを倍増させ、これにより雇用と失業問題を解決することで国民の生活水準を引き上げるというものです。きょうの質問のテーマである発展について、当時の池田内閣においては、国の発展を第1に所得の向上、第2に失業率の低下と考えていたということが言えると思います。 当時の池田内閣は、この所得倍増計画の牽引役として、太平洋ベルト地帯構想を考えております。過大化した当時の4大工業地帯、京浜、中京、阪神、北九州、これらの急激な成長を抑える一方で、これらの中間地域である主に資源の輸入に便利な太平洋沿岸地域を重点的に発展そして整備するものでした。この構想は、国内のベルト地帯以外の地域から当然大規模な反発を招き、この背景のもと、昭和37年、地域間の均衡ある発展を基本目標とした我が国初めての発展計画である全国総合開発計画が発表されました。 計画の目標として、国内の全地域、全国民がひとしく豊かな生活に安住し、近代的便益を享受し得るような福祉国家を建設することにあると、計画の前書きに記載されております。この前書きを読む限り、第一次発展計画は国の発展を日本全国民が全く同じ所得レベルになること、そして福祉国家になることと考えていたということが言えると思います。 ここで、第一次発展計画のいう地域間の均衡ある発展とは、日本全国民の所得の平等を意味しておりました。誤解を恐れずに言うのであれば、我が国最初の発展計画は、より社会主義的な思想のもとに発展というものを考えていたということが言えると思います。 昭和44年発表の第二次発展計画である新全国総合開発計画は、豊かな環境の創造を基本目標にしております。第二次計画で注目すべきは、国の発展を経済的なものではなく、環境の創造と考えていることです。背景としては、冒頭で述べたとおり、大正から昭和30年代にかけて発生が確認されておる我が国史上最悪の4大公害病の発生がこの国家の目標となった環境の創造の背景にありました。 これらの公害問題、環境汚染は、一元的に国家の発展とは富の積み重ねであると考えていた当時の我が国の根幹を揺るがすものであり、そして環境保全を地域の発展と考えるのであれば、この公害病は明らかに発展ではなく、我が国の後退でありました。 第二次計画のいう国土利用の均衡とは、物流の機能を全国的なネットワークとして整備し、それぞれの地域の特性を生かした大規模な開発プロジェクトを計画し、まずその地域が経済的に発展し、その経済的効果が周辺地域に及び、全体として経済的に発展するというものでした。第二次計画においては、結果の平等が基本目標ではなくなり、国土利用の均衡により、それが国土の均衡ある発展につながると考えております。 昭和47年、当時の田中角栄総理は、自身の日本列島改造論で、日本に高速交通網を整備し、本州どの地域においても東京から6時間以内で移動できる高速交通網を国内に整備するということを考えております。 昭和52年発表の第三次全国総合計画においては、自然、生活、生産の調和のとれた居住環境の整備を図る安住圏構想と、地方の中小企業の振興、これらが計画の目的とされました。ただし、この三次計画においても、国土の均衡ある発展をなし遂げるために、国土利用の均衡という表現が使われております。 平成10年発表の第五次総合開発計画においては、21世紀の国土のグランドデザインと名づけられ、基本目標は自立の促進と誇りの持てる地域の創造と、5つの発展計画の基本目標の中で初めて誇りなどという抽象的な単語が使われております。平成に入って、国家の目標が全国民の所得の平等から、地方が自立しながらそれぞれの個性を発揮する地域の個性ある発展に変わっております。 5つの発展計画を分析してみると、発展の概念と発展のプロセスにおいて、第一次計画から第四次計画までの計画と、最後の第五次計画は全く異なっていることがわかります。発展の概念についていえば、第一次計画から四次計画までにおいて、発展とは経済的な意味においての国土の均衡ある発展でありました。言いかえれば、発展とは富においての日本全国民の平等でありました。しかし、第五次計画においては、発展とはそれぞれの地域の自立と地元に対する誇りであります。最初の4計画において、つまり昭和37年から平成9年までの35年間において、国の発展を日本全国民の富の平等と考えていたにもかかわらず、都市と地方の経済的格差が平成に入り19年たった現在でも、我が国の主要な問題の1つになっていることは、全く皮肉なことです。 発展のプロセスについて言えば、外発的発展と呼ばれる政府・国主導の発展と、内発的発展と呼ばれるその地域主導の発展とに分けることができます。第一次から第四次計画までは、中央への集権体制を基礎とした当時の国土庁と通産省主導の日本全国民の富の平等が我が国の発展とされておりました。地方の都市基盤を整備し工場を立地させるといった箱物優先の地域開発が政府主導で行われておりました。これを外発的発展と呼ぶことができると思います。 平成に入り、第五次計画においては、発展の方針が地域の競争力を再生させることで、その地域の自立を促進させるというものになっております。この第五次計画において初めて国の発展計画が自治体主導となり、その自治体にとって何が発展なのかをその自治体自身に考えさせ、そして選ばせるものになりました。この地域主導の発展のプロセスを内発的発展と呼ぶことができると思います。 これまで見てきたように、発展の概念と発展のプロセスにおいて、全5計画のうち、第五次計画だけが全く違ったものになっておることは、今まで検証してきたとおりです。それでは、第四次発展計画の年である昭和62年と第五次計画発表の平成10年までの11年間において、国の発展計画を全く違ったものにさせる何の要因が我が国において起こっていたのか。昭和から平成にかけてのこの11年間において、我が国において国の政治経済システムを揺るがす出来事が起こっておりました。 平成3年からの10年間、平成の大不況と呼ばれる景気後退が我が国で起こっておりました。この大不況を打開すべく、政府は景気後退の時期に行う景気回復のための三種の神器と呼ばれる低金利、減税、公共投資、この3つの政策を同時に行っております。平成2年8月の時点で6%であった公定歩合は、次の5年間で5.5ポイント引き下げられ、平成7年には0.5%になっております。昭和20年代後半から5年ごとにやってくる我が国の景気後退をすべてこの三種の神器を発動することで乗り切ってきた我が国にとって、この不況において初めてこの景気対策がうまく働きませんでした。 そして、政界においては、大不況真っただ中の平成5年の衆議院総選挙において、38年間続いた自民党単独政権が終わりを告げ、細川連立政権が誕生しております。当時、政界においてはリクルート事件が起こっており、政治の腐敗が盛んに叫ばれておった時代でもありました。財界においては、平成9年、証券最大手の山一證券が自主廃業し、北海道拓殖銀行、三洋証券、日債銀、そしてそごうが経営破綻しております。 この制度疲労を起こしていた我が国混迷の時代、細川、羽田、村山、橋本、小渕と続く総理は、我が国の政治経済システムを中央への集権体制から地方への分権体制にすることにより、今まで国の財政を圧迫しておった地方を国から切り離し、政府の言葉で言えば地方に権限を移譲し、そしてやる気を持たせ、従来の大都市主導の景気回復ではなく、それぞれの地方がまず景気を回復することによって、その波及効果が全国に広がり、結果的に全体として国の景気が回復する、このシステムをつくり上げるという地方への分権体制の構築を本格的に始めました。この中央への集権体制から地方への分権体制への政治経済システムの転換は、制度疲労を起こし、政治と経済において従来の問題解決方法がうまく働かなくなっていた我が国において、やむを得ない転換だったと考えております。 ここまで国の発展計画において、発展をどのように考えてきたのか、そしてどんな社会経済情勢のもとで発展をそのように考えてきたのかを考えてみました。 次に、国の発展計画と比較して、我が釜石の発展計画を考えてみます。 国において第二次計画が発表された翌年、昭和45年、我が釜石において最初の発展計画が栗沢市長のもと、釜石市勢発展計画として発表されました。驚くべきことに、この計画において15年後の昭和60年の釜石の人口を13万3500人になると見積もっております。今度の岩手沿岸南部広域環境組合の3市2町を合わせた人口が13万8000人であることを考えても、この見積もり人口がどれだけ多かったかがわかると思います。ちなみに、実際の昭和60年の釜石の人口は6万7人でありました。 この昭和45年の一次計画において、市の今後の見通しと題して興味深い記載があります。工業、交通インフラを整備すれば、今後新たに第2次産業を中心とする企業が釜石に進出し、それによって市の人口は増加に転じるというものです。現在もこの37年前に考えていたことと全く同じことを考えていることに、まず驚かされます。 国において、4大公害病の発生が確認され始めた昭和30年代、我が釜石においても、公害調査において、1平方キロメートル当たり、月に148トンのばいじんの降下が観測され、当時これは世界一と言われておりました。このばいじんは、我が釜石が発展するために避けては通れないものだったのでしょうか。そして、釜石の人口が7万3000人台だった昭和45年当時、松原において公害反対住民運動団体が結成されました。この第一次発展計画が策定された時期において、公害は市にとって大きな問題であったはずですが、この1次計画においては、残念ながら公害と環境に関する目立った記述はありませんでした。ちなみに、昭和44年発表の国の第二次発展計画においては、当時の4大公害病の発生を受け、国の計画の目標が豊かな環境の創造と方向が転換されております。 昭和53年4月、国が第三次発展計画を発表した翌年、第二次釜石市勢発展計画が浜川市長のもとで策定されております。この計画の施策の基本姿勢の中で、我が釜石を「三陸沿岸中心都市」と表現しております。一次計画においては見られなかった岩手全体における沿岸釜石の役割を考え、それを初めて発展計画の中に折り込んだものでした。 岩手全域の中で、我が釜石が発展するために県土の中でどのような役割を担うのか。この視点は次の三次計画において「流通拠点機能を持つ三陸沿岸の中心都市」と表現され、四次計画においては「三陸沿岸の拠点都市」と表現され、それが現在の五次計画において「海と緑の交流拠点」という表現につながっております。昭和50年代に始まった製鉄製造業の大規模な合理化で急速に勢いを失っていった我が釜石が我が市単独では発展できないことを痛感し、岩手全体における我が釜石の役割を考え始めたということが言えると思います。 この昭和53年の第二次計画の施策の基本姿勢に「新時代に即応する産業の振興」という記述があります。現状のままでは生産の飛躍的拡大は困難であり、新しい時代にふさわしい生産性の高い工業の導入を促進し、流通機能を充実し、活力ある産業都市を目指すと記載されております。言いかえれば、我が釜石は昭和53年当時から鉄鋼業と水産業の2大基幹産業を限界と考え、そして新たな基幹産業を模索していたということが言えると思います。 第二次計画の新たな基幹産業の開発と構築という流れを受け、昭和61年、翌年に発表される我が国の第四次発展計画を待たず、第3次浜川市政のもとで第三次釜石市勢発展計画が策定されております。釜石の新たな基幹産業になり得る産業として、初めて観光と海洋開発を挙げております。これらの基幹産業を中心とした釜石を複合的産業都市と表現しております。この計画の基本構想の中で、昭和61年、この時期を釜石市勢発展のため、何をなすべきかを選択しなければならない重要なときであると表現しております。 ちょうどこの年に釜石製鐵所の高炉休止が発表され、またこの年12月からバブル景気と呼ばれる昭和最後の好景気が始まりました。この時期は平成という新たな時代を迎える時期に当たり、そして国内の政治経済システムが制度疲労を起こし始めた時期でもあり、我が釜石において、確かに何をなすべきかを選択しなければならない重要な時期であったと同時に、私は何よりも釜石の発展とは何なのかという最も基本的な議論をすべきであった時期でもあったのではないかと考えます。 そして、3年後の平成元年、釜石製鐵所の高炉休止が現実となり、我が釜石の産業構造の転換がいよいよ釜石経済再生のための待ったなしの緊急課題となりました。 第三次釜石市勢発展計画からわずか4年後の平成2年、野田市長のもとで、我が釜石の4つ目の発展計画である釜石市総合振興計画が発表されております。計画の創設において、従来の進むべき方向を見定め、新たな観点に立ったまちづくりを進めなければならない重要な時期を迎えているとの記述があります。野田市長は平成7年、我が釜石の人口が5万338人の当時、10万都市にならないと地域住民の生活の充足率という面で本当の意味の豊かなまちづくりは難しいとおっしゃっております。これを見る限り、野田市長が釜石の発展の1つに人口の増加を考えていたことは明らかであります。 平成13年、第五次釜石市総合計画「スクラムかまいし21プラン」が小野市長のもとで策定されております。重点的に取り組む施策として、釜石の新たな産業として資源循環型社会に対応した産業の育成との記述があります。 さて、ここまで釜石の発展とは一体どのようなことであるのかを探るために、国と我が釜石の発展計画を対比、分析し、そして発展の意義を考えてきました。国の経済情勢を分析することなしに、釜石の経済的発展はあり得ないからです。 そして、昭和から平成にかけて徐々に制度疲労を起こし始めた我が国において、その打開策として地方への分権体制が着々と進められている現在において、それぞれの地域において行政と市民が自治体において果たす役割というのは従来とは比べものにならないくらい大きくなっております。先ほど述べた内発的発展のもと、何をもって我が釜石の発展とするのかを我々市民が我々自身で考え、そして選ばなくてはいけない時代なんです。 1つ目の質問です。 我が釜石のリーダーになられた野田市長は、10月21日の市長選出馬の記者会見において市民総参加で地域の発展を目指したいとおっしゃっております。また、大槌町との合併についても、地域の発展に避けては通れないともおっしゃっております。市長選挙用のパンフレットにおいても、釜石地域の振興、発展のため政治家を志したとおっしゃっており、当地域の発展はもとより、岩手の発展に努力してまいりましたとおっしゃっております。野田市長の考える我が釜石の発展、そして岩手の発展とは具体的に何のことを指すのか、市長の忌憚のないお考えを聞かせてください。 2つ目の質問です。 昭和50年制定の我が釜石の市民憲章にも「不屈の精神をもって郷土釜石の発展にはげんできました」と書いてあり、「若さと希望に満ちた近代都市に成長することを願う」とうたっております。近代都市とは、非常に抽象的な単語でありますが、私は時代が変わり、市長が交代するたびに、ある程度この若さと希望に満ちた近代都市の定義は変わっても仕方がないのではないかと考えます。その地域が生き残るためには、変化する時代を常に分析し、そしてその地域がその時代に対応できるように常に変化していかなくてはいけないからです。市長の考える若さと希望に満ちた近代都市とは具体的にはどのようなものであるのか、忌憚のないお考えを聞かせてください。 3つ目の質問です。 先ほど述べたとおり、既に昭和53年策定の我が釜石の第二次発展計画において、新しい時代にふさわしい生産性の高い工業の導入を促進するという記載があります。今の釜石においても、新たな基幹産業の構築は最重要課題です。昭和38年9万2123人の人口を記録してから、ことしで44年たちます。そして、昭和53年、我が釜石の第二次発展計画において、新たな基幹産業の構築を考え始めてから29年たちます。言いかえれば、我が釜石は三、四十年間かけて衰退してきたと言うこともできると思います。 それならば、釜石経済の建て直しをするにも40年、約半世紀ほど必要なのではないかという仮説も成り立つと思います。この仮説に対して、市長の忌憚のないお考えを聞かせてください。 以上で壇上からの質問は終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 小野議員の御質問にお答えをいたします。 まず、発展とはとの御質問でございますが、岩手県におきましては厳しい雇用情勢や医療資源の地域偏在など、県民生活がさまざまな危機に直面していることから、こうした危機を希望に変えていくため、平成19年度から22年度までの今後4年間に重点的・優先的に取り組んでいく施策などを新しい地域経営の計画として策定中であります。 また、釜石市では、人口減少や少子高齢化傾向が続き、産業や経済活動が停滞しており、これらを打開するための各種施策の展開が求められておりますことから、釜石市総合計画後期基本計画が策定されたところでございます。 このように県と市は置かれている状況が同じでありますが、岩手県の中でも特に釜石市は、昭和30年代から急激な人口減と経済の落ち込みが激しい状況にあります。しかし、こうした厳しい状況に置かれている釜石だからこそ、知事の言われる「危機を希望に」が当てはまるものと思います。 企業城下町としての悲哀を味わってきた釜石こそ、危機を希望に変える一つの試金石であると思います。釜石の発展は岩手の希望につながると基本的には考えるものであります。このように岩手と釜石がともに発展を目指すことに大きな意義があると思っております。 そこで、発展という言葉でございますが、私はプラスの状態をあらわす数値が伸び、マイナスの状態をあらわす数値が小さくなるのが発展であると考えております。議員が述べられたことを例にとりますと、人口や所得がふえ生産力が高まることなどにより、あらゆる分野での可能性が広がることが発展であります。よって、各種の指標がプラスの方向に伸びることが一般的に発展であるわけですが、こうした指標の高まりは地域に住む人の活力を生み出しますが、同時に活力があるから発展につながるとも言えると思います。活力を生み出す原動力を育てる努力が大事であるということであります。 また、特に釜石市の発展と言った場合は、市の行財政経営の最高指針であります総合計画の指標をもって発展とすべきですから、後期基本計画で定めております人口と経済の目標指標の達成を目指して取り組んでまいりたいと思います。 同様に、県においては、新しい地域計画に定める県民所得の向上や雇用環境の改善等が発展になります。後期基本計画の目標を達成し、「希望ある未来、安心で元気なまち」をつくることが釜石の発展であります。 次に、若さと希望に満ちた近代都市についての御質問でございます。 若さと希望に満ちた近代都市という文言は、議員が述べられましたとおり、釜石市民憲章に出てまいります。釜石市民憲章は昭和50年4月1日に制定されたもので、釜石のよき伝統を守り育て、あすの釜石市を築くための指標であります。 そこで、その中の若さと希望に満ちた近代都市の意味ですが、私はまず若さとは活力のことであり、活力を生み出すのが希望であると考えております。地域住民が自信と誇りを持って未来に対する希望を実現する取り組みを実行する中で活力が生まれ、これを持続することによって地域が活性化し、この活性化と人口、所得などの指標の高まりによって地域が発展していくことが「若さと希望に満ちた」の意味であると考えます。 次に、近代都市ですが、近代都市とは交通基盤が整い、上下水道等が整っているなど、住民の利便性が高まっている地域であり、新しい産業が次々と創出されるなど、未来への可能性が広がる地域のことであると考えます。このようなことから、私は近代都市とは何かということを解釈しますと、まさしく三陸沿岸の拠点都市であると言えると思います。 以上のことを総合して、若さと希望に満ちた近代都市とは、活力あふれる取り組みによって地域が活性化し発展する三陸沿岸の拠点都市であると考えます。 次に、釜石経済の立て直しについての御質問ですが、釜石は30年から40年かけて衰退してきたという議員の御指摘については、人口を見ますと、昭和38年の9万2123人をピークに減少を続けておりますし、製造品出荷額等は昭和54年の約1300億円には遠く及ばないなど、御指摘の面はあろうかと存じます。 しかし、40年前に比べ、現代は生活環境が整い、生活に必要なものが手に入りやすくなるなど、生活は格段に豊かになっている面もあり、豊かさや幸せの尺度が大きく変化する中で、個人個人の生活を見れば決して衰退していない、こういう見方も成り立つと思います。 釜石全盛期の昭和30年代を見れば、釜石は日本の中でも有数の発展を遂げていた地域であったと思います。今の釜石を当時と同じような状態にするということであれば、議員の仮説も成り立つのかもしれません。しかし、歴史は常に変化しています。変化していく中で、当時の状況に経済を立て直すという仮説に対しては、議員が期待する答えは導き出せないものと考えます。確かに私たちは発展を目指していかなければなりませんが、今私たちに必要なのは過去の40年前を目標にするのでなく、新しい未来に向かっていくことであると考えます。 3大基盤を活用して産業振興に向けて頑張っていく中で、経済を立て直すということではなく、新しい経済を組み立てていくのだという気概こそ必要であると存じます。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(松坂喜史君) 小野共君。 ◆3番(小野共君) 再質問を行います。 今の市長の答弁ですけれども、釜石の発展の形についての質問なんですけれども、答弁の中にあった現在豊かさや幸せの尺度が大きく変化しているとのことですが、私もまさにそう思います。高度成長期の所得倍増計画に見られるような比較的単一化した価値観である富や所得を持つことだけが幸せと考えられていた時代に、人口や所得と一見相反するような公害、環境破壊、そして福祉政策は、当時、今の時代ほど重視されていなかったのは歴史的に事実であったと思います。経済的に発展し、教育レベルもある程度の状態まで来た我が国において、我々は経済的な豊かさと同時に精神的な豊かさ、そして安定も求めるようになってきていると思います。富や地位だけを追求するのではなく、同時に、自分にとって何が幸せなのか考えるようになってきております。 そして、世の中は、そんな多種多様な人間の生き方を理解し、尊重し、そして認めるようになってきているのも事実だと思います。まさに先ほど市長がおっしゃった豊かさや幸せの尺度が多様化してきているんだと思います。 先ほどの質問において私が挙げた発展の形、人口、所得、GDP、医者の数、1人当たりのGDPなど、私すべて釜石の発展と言えるんだと思います。ただ、市の施策として、その中で何を最も優先させるのかだと思うんです。当然すべてを優先させることは不可能だと思います。私は市民の多様化した価値観の中で、果たしてすべての釜石市民が共通して望んでいることは何なんだろうと、これを考えるのは市の施策の優先順位を決める上で欠かせないんじゃないかなと考えます。 もちろんすべての市民が同じことを望んでいるはずはありません。人口の増大を優先すべきだと考える市民の方々もいれば、福祉政策を優先してほしいと考えている市民の人たちもいると思います。私は平成17年を境に、我が国の人口が減少に転じているこの現在において、釜石だけが人口がふえるとか、人口の減少がとどまっているというのは、市町村合併などの手段をとらない限り、やはり常識的に考えて難しいんじゃないかと考えます。 それでは、市民が最低限望んでいることは何なのか。私は何よりも家族全員でこの釜石で暮らしたいと思っているんじゃないかなと思います。おやじ、おふくろ、じいちゃん、ばあちゃん、息子夫婦、そして孫と、家族が出ていくことなく、この釜石に家族みんなで暮らしたいと思っていることが釜石市民の共通の思いなんじゃないかなと思います。家族が釜石から出ていくことなく、そして都会から息子夫婦、孫が帰ってきて釜石に一緒に住む。釜石で家族がみんなで住んでいるから、家族のだれかがじいちゃん、ばあちゃんが弱くなったときに、面倒、介護できると思うんです。その結果として、釜石の人口がふえるのであって、人口の増加は釜石の目的じゃないと思うんです。 1人当たりの所得を上げることも今の釜石では難しいんだろうと思います。1人当たりの所得をふやすためには、今の賃金が上がるか、今の仕事をやめてより賃金の高い仕事につくしかありません。今の岩手の雇用状況、所得の状況、経済状況を見る限り、やはりこれもちょっと難しいんじゃないかなと思います。 私は世帯当たりの所得をふやすことは何とかできるんではないかと考えます。世帯当たりの所得をふやすのは、家族の中でだれか働いていない人が多少賃金は低くても仕事があり、そして働くことができれば、世帯当たりの所得はふえます。賃金が低くても仕事があれば、家族のメンバーは釜石に残るかもしれません。賃金が低くても仕事がある限り、家族みんなで釜石に住むことができます。そして、世帯当たりの可処分所得も当然ふえることになります。 今、釜石にあるさまざまな問題、医療格差、少子高齢化、商店街の空洞化、これらの問題は経済がある程度安定することにより、私はある程度解決できると思っております。私の釜石の発展とは、結果として、家族全員が釜石で暮らすための世帯当たりの所得の上昇であり、そして、そのため最も優先すべき市の施策は有効求人倍率の上昇です。 質問いたします。 壇上からの質問の中で、私が挙げたさまざまな発展の形の中で、なぜ市長は人口と経済の目標指数である人口増加と所得の上昇を釜石の発展としたのか、教えてください。 もう1点です。市民憲章には若さと希望に満ちた近代都市に成長することを願うと書いてあります。私はこの釜石において、近代都市とは人口、所得、医療、教育、交通網、そして文化施設、このまちを構成する6個の要素が整ったまちのことであるんだろうと私は考えます。 先ほどの答弁では、近代都市を交通基盤が整い、上下水道が整っている住民の利便性が高い地域とおっしゃっておりました。これは近代都市を生活基盤の充実した、我々市民の住みやすいまちのことを言っておると思うんですが、この定義、生活基盤の充実したまちを市長は先ほどの釜石の発展として挙げなかったんですが、それで整合性がとれているのかどうか教えてください。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 小野議員の方からさまざまな御質問がありましたけれども、恐らく多分持続可能な社会ということについての御質問だと思います。確かに人口が増加をするだけでは社会は成り立たないわけでございます。現在、日本ではよく限界集落という言葉がございますが、集落で65歳以上の方が半数を超した社会は存続ができないと、消滅をしていかざるを得ないと、こういうことでございます。 したがって、人口構成におきましても、ある程度の人口の構成が必要なわけでございまして、そうした比率がまず一つ重要ではないかと、このように思います。議員が御指摘のとおり、釜石が全盛のころ、あるいは日本が全盛のころは、いわゆるピラミッド型だったわけでございますが、今現在日本は、恐らく逆ピラミッドと申しましょうか、そういう形になりつつあるのではないか、あるいはなっているのではないかと、このように思います。そういう社会がこれから、先ほど議員がおっしゃったとおり、家族でみんなで安心して暮らせる地域にはなり得ないわけでございますから、まず1つは、そういう意味で人口の指標というのは、そういう人口の構成比率が重要ではないかと、このように考えているところでございます。 したがって、まず我々が目指すところはそういう、先ほどは指標がプラスになることが発展だということを申しましたが、同時に、全体のそういったバランス感覚が必要ではないかと、このように思っているところでございます。 それから、先ほど近代都市ということと拠点都市の整合性がとれないのではないかと、こういう御指摘だったと思いますが、私はそうはならないと思います。 近代都市、昭和のいわゆる市民憲章を制定した当時、多分、恐らく議員が御指摘のとおり、みんなで幸せに暮らしたいと、そしてまた生活の基盤整備も整って、その中でこれからの生きていく若い世代にも可能性のある地域にしていきたいと、こういう思いで市民憲章がつくられたと思います。 したがって、その当時の思いは今でも同じだと思いますが、今現在、釜石の置かれている状況の中では、まさしくその近代都市ということが我々の目指す拠点都市に全く同じではないかと、こう思っているところでございます。 拠点都市という拠点というのは、かなめということでございますが、議員も既に御承知のとおり、産業の集積が図られる地域、そしてまたそれを釜石から発信していける地域、さらには物流の面から見ても、物流の集積をするところ、そしてまたここからさまざまなものが発信をしていくところ、そしてまた文化、芸術、スポーツ等、あらゆるものがこの地域で発展をし、そしてまたそれが各地域にも波及していくと、そういう意味のことでございますが、そういう意味で、そこに生活する人たちが自分たちのまちに誇りを持って生活をしていく、その基盤整備の中で、そういうものの拠点性が生まれてくると、このように考えておりますので、議員の考えとはちょっといささか違うかと思いますが、私の考えはそういうことでございますので、どうぞ御理解をしていただきたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 小野共君。 ◆3番(小野共君) 市長、ありがとうございました。 続きまして、我が釜石の発展をなし遂げる上で、壇上からの質問でもちょっと触れておりましたけれども、市町村合併のこと、基本的なお考えをちょっとお聞きしたいと思います。 私は発展のための重要な一つとして、市町村合併のことも視野に入れてこれから議論していくべきだと考えます。平成7年に改定された合併特例法により、合併特例債の発行や住民直接請求による法定の合併協議会の設置の発議の制度などにより、現在我が国で合併の議論が国内の至るところで盛んにしてあるのは御承知のとおりであります。 私は市町村合併の議論は、自治体の役割、行政の役割、そして何よりも我が釜石のことを改めて市民全員で考える上でとてもいいチャンスだと思います。確かに合併は全国のほとんどの中小自治体が現在陥っている財政危機を乗り切るための重要な有効的な手段の一つではあると思います。しかし、私は合併の議論、本質は、合併をしなければ我が釜石の改革ができないということではなく、我が釜石の改革を合併して行うのか、それとも合併せずに行うのかだと思うんです。 釜石が将来生き残れるかどうかというのは、自治体の規模と本当に関係があるのか。合併することは、現在釜石にある問題点を先送りすることなのではないか。今、釜石で改革できないことを合併して本当に改革できるのか。合併することは相手ともたれ合い、それぞれの自治体の責任をあいまいにすることなのではないか。私は合併とは何ぞやという議論をこれからもっともっと議会、そして市民の方々とやっていかなくてはいけないと考えます。 市長にお伺いします。 今の時点で、合併に対して具体的にどう思っていらっしゃるのか、それを聞かせてください。 もう1点です。市長は12月10日の所信表明演述で、市民総参加のまちづくりを全力で行うとおっしゃっております。市民総参加を重視するのであれば、合併して自治体の規模を大きくするのではなく、自治体の規模をより小さくした方が市民の意見というものは市政に反映されやすくなると考えますけれども、その市民総参加の真意を聞かせてください。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) まず一つは、市民総参加と合併との関係でございますが、議員が御指摘のとおり、やはり行政のあり方としては、小さい方が当然サービスが行き届くわけでございますし、効率的にもいいと思います。したがって、何も合併がすべてではないというのは、まず基本的な考えだと思います。 ただ、議員も御承知のとおり、今、日本が莫大な借金を背負って大変財政的にも厳しい、そうした中で、これからの地方自治をどうするのかと、そしてまた、先ほど議員がおっしゃっておりました地域で暮らす人たちの家族がみんなで幸せに暮らす地域をどうつくるのかと、こうした場合には、どうしても財政という面と、行政のシステムのあり方が課題になってくるんだろうと思います。 したがって、何もないのであれば、いつでも生活ができるだけ豊かな、そういう地域であるならば、何も合併を目指して取り組む必要はないし、それぞれの地域でそれぞれの皆さんが一生懸命取り組んでいただければ、それで結構だと思います。 ただ、今、日本の置かれている現状はそうはならないというところが、まず一番根本的に重要な課題ではないかなと、そう思っております。現実問題として、そういう中にあって、これからの我々の地域社会をどうするかというときに、どうしてもやっぱり合併は避けては通れない道だというふうに認識をしております。 それから、先ほど合併の勧告の話もございましたけれども、そういう国の仕組みの中で、地域の皆さんが合併をするしないにかかわらず、今度新たに知事に合併の協議会の設置の勧告の権限が与えられたということでございますから、そういう国の方向性ということもやはり重要ではないかなと、こう思っております。 それから、市民総参加ということでございますが、議員のおっしゃるとおりだと思います。地域の皆さんで一緒にひざを交えて話し合いながら、この行政のあり方というものを考えていくのが私が目指しているところでございます。そうした中にあっては、先ほど申し上げましたとおり、小さい方がいいわけです。100人で相談をするよりは2人で相談した方がいいわけですが、現実にはそうはいかないわけでございますから、そうした多くの方々の意見を集約しながら、正しい方向、皆さんが幸せになれる方向というものを導き出していかなければならない。そういう新しい仕組みとして、皆さんに御提示をしているのが地域会議ということでございますが、合併においても、まさしくできるだけこれは--ですから釜石だけの問題じゃなくて、近隣の市町村にもそういう同じような仕組みをつくっていただきながら、ともに同じ連携をしながら取り組んでいくということも、これも重要な施策の一つではないかなと、このように考えております。 ○議長(松坂喜史君) 小野共君。 ◆3番(小野共君) 市長、ありがとうございました。 もう一つ再質問いたします。 平成8年の第四次発展計画の後期計画を策定するに当たり、市は市民500人を無作為に選びアンケートを行っております。そして、これを第四次計画の策定の参考にしております。このアンケートで、市民に対する市の取り組みについてどう考えるのかという設問がありまして、回答者の意見ははっきり二分されております。1つは、あくまでも人口増加を図ることを施策の中心にすべきという回答と、もう一つは、ある程度の人口の減少はやむを得ない。住民が生き生きとした活気あるまちづくりを推進すべきという回答です。市民の回答はこの2つで半々に分かれておりました。ちなみに、このアンケートが行われた当時の釜石の人口は、既に5万人を割っており、4万9729人でありました。 今、同じ質問をされたときに、先ほど申し上げましたけれども、平成17年を境に総人口が減少に転じた我が国において、やっぱり市町村合併などの手段をとらない限り、人口の増加というのは常識的に考えてちょっと難しいんじゃないかと思っております。だから、人口の増加だけをあくまでも釜石の唯一の発展とするという合理的理由がない限り、私はやはり人口よりは住民の生活の質の向上を市の施策の判断の基準とすることがより現実的な行政の選択なんだろうと思います。 また、ほかにももう一つ興味深い設問がありまして、釜石の人口はどのぐらいが適切な規模かというのがあります。今この釜石の現状にある我々釜石にとって、同じ質問がされたときに、市としてどういう答えを出すのか、聞かせてください。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 小野議員の方からただいまの質問は、平成7年にアンケートをした結果に基づいての御質問かと思いますが、ただいまお話がありましたとおり、人口をふやした方がいいという方と、もっと自分たちの生活の方をよくしてほしいという方の人数が大体今の議員のお話だと同じような感じではないかなと、こう思っております。 そういうことからすれば、まさしく行政でやるべきものもそういうことだろうと思います。先ほど申し上げましたとおり、人口がすべてではないわけでございまして、偏った人口増加は、これは破綻を招くわけでございまして、全体の人口の構成が必要だと思います。 我々が少子化対策ということで、今一生懸命取り組んでおりますのも、そのいわゆるいびつな形を直そうと、これが少子化対策でありますし、人口構成の比率をただしていかなければ、持続した社会が成り立たないと、こういうことでございます。 ですから、議員の御指摘のとおり、人口をふやせばいいというだけではないわけでございまして、ある程度の人口を見込みながら、なおかつそこで生活をする方々が安心して生活できる、そういう社会をつくっていかなければ、今の持続した社会は成り立たないということでございまして、このアンケートの結果というのは、まさしく拮抗して2つあるということは、まさしくその2つが大事だということを意味しているのではないかなと、こう思っておりまして、行政としても、したがってその2つは双方に、片方だけやるということじゃなくて、人口をふやすことも必要だけれども、今いる方々の生活もきちんとその点にも目を向けていかなければいけないということの重要性を示しているんだろうと、このように思っておりますし、そのとおり取り組んでいきたいと、このように思います。 ○議長(松坂喜史君) 小野共君。
    ◆3番(小野共君) 市長、私の質問はですね、釜石の人口はどのぐらいが適正な規模かという質問だったんですけれども、お願いします。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 現時点で市長としてお答えのできる範囲は、先ほど申し上げました後期基本計画に目標として定められている数字が、私が述べられる数だと思います。よろしく御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 小野共君。 ◆3番(小野共君) すみません、確認します。4万1000人ですね。 それでは、時間がなくなりましたけれども、最後に1つだけお願いします。 平成3年から始まった平成不況により、政府の景気動向についての好景気が続いているとのコメントにもかかわらず、我が釜石においては、市民には景気がいいなどという、そんな実感は今の市民においては全く感じられません。ここに来ての昨今の原油高というのは、我々市民にはますます生活を圧迫していると思います。 平成18年度釜石で生活保護を受けている市民の方々は378世帯、536人いらっしゃいます。先ほどの答弁で市長は、生活は格段に豊かになっており、個人個人の生活を見れば決して衰退していないとおっしゃっております。これちょっと我々の市民の現状認識と違うんじゃないかなと思いますけれども、先ほどの答弁の真意を聞かせてください。 ○議長(松坂喜史君) 市長、あと1分です。 ◎市長(野田武則君) 先ほどの答弁は、議員が質問の中に40年前のことを申し述べておりましたので、40年前の当時と比べればということでございますので、その点はお間違えのないようにお願いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 3番小野共君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(松坂喜史君) 次に、17番山崎長栄君、登壇を願います。(拍手) 〔17番山崎長栄君登壇〕 ◆17番(山崎長栄君) 通告いたしました市政課題につきまして、順次質問をさせていただきます。 初めに、新生釜石に向け、市民の期待を担い、誕生されました新進気鋭の新市長に祝意を表しながらお尋ねをいたしたいと存じます。 定例会の冒頭に述べられました所信表明では、みんなでつくるまち新生釜石の実現を掲げ、市民総参加のまちづくりに取り組むとしております。その具体化として、地域会議の設置と市民と話す日の新たな設置を挙げられました。地域課題や市民の要望に対し、行政が真摯に市民と向き合い、協働してまちづくりを考えることは理解いたしますが、一定のルールをつくるべきではないでしょうか。 市民参加の対象や方法、手続、目的を明らかにし、市民と行政それぞれの役割や政策形成への参加の具体な方法などを明文化した市民参加条例の制定が望ましいと考えますが、御所見を求めたいと存じます。 次に、損害賠償請求事件の和解についてであります。 この事案につきましては、11月2日に開催されました臨時議会におきまして、原告である株式会社パースジャパンとの和解案に応ずることを了としたわけでありますが、市長報告で原告との間に和解が成立した旨の報告がございました。しかし、私は釈然といたしません。 臨時議会での説明では、適切な事務処理が行われた。反省すべき点はあるかもしれないなどの答弁であいまいさが残ったままであります。小沢市政の当初におきましては、市民病院の存続を目指した経緯もあったことから、予断を持って契約に臨まれたことも否めませんし、事実として釜石市が原告に対し、和解金900万円を支払うことも決定いたしたわけであります。 この際、なぜこのような事態に及んだのか、原因と責任の所在を明らかにしなければ問題の終焉にならないものと考えます。当局の御見解を求めたいと思います。 次に、所信表明の中で、第五次総合計画を継承し、後期基本計画の優先プロジェクトのもとに8つの政策を位置づけると述べられ、基本となる政策を示されました。その中で、基盤整備せざるを得ない三陸縦貫自動車道を初めとしたさらなる整備促進をと述べられています。周知のとおり、国政の場において道路建設の必要性が大きく問われ、道路特定財源の堅持の是非、一般財源化と暫定税率の引き下げなど、与野党の間で論議が高まっております。そこで、この論議に対する野田市長の御所見を賜っておきたいと存じます。 次に、所信表明では、小沢前市長の意思を継承し、市政運営に取り組むことを述べられたわけでありますが、基本的には後期計画の優先プロジェクトを踏襲されますことから、政策に対する表現の違いは見られるものの、総じて小沢市政を引き継ぐことが理解できます。そのような市政運営に対する基本的スタンスを明らかにする中で、このたび企業立地推進本部の設置と総合政策課に少子化対策室を置かれました。これまでの組織編成との違いをお尋ねいたしたいと存じますし、新年度を待たず発令した事情についても、あわせてお聞かせください。 次に、入札制度の見直しについてであります。 公共事業をめぐる談合事件で知事が逮捕されるなど、全国の自治体で不祥事が相次ぎ、大きな社会問題となっております。そこで、総合評価落札方式の導入を目指す動きが全国の自治体に広がりを見せ、2006年度では都道府県が100%、政令都市が67%、市町村では2%であると国交省が導入実態を発表しておりますが、改善の進まない市町村に対してはマニュアルを作成したり、財政的支援を行うとして、既に10月16日から公募が行われていると伺っております。 当市におきましても、いち早く導入についての検討がなされ、試行的に新入札制度によって事業が発注されたようであります。概略どのようなところに腐心をされた制度となったのか。また、遠野市が検討をされているような企業の地域貢献をも考慮した入札方式とされたのか。あるいは本格導入前に検討されるのかお伺いをいたします。 次に、防災における課題についてであります。 災害時防災拠点となる公共施設の多くは学校施設であり、避難場所として被災者を受け入れるのみならず、必要な情報の収集と発信を行うとともに、被災者の食料、生活用品の供給など、多様な役割を果たす拠点ともなるわけであります。 しかしながら、耐震が確保されているのか、いないのか。安心・安全な学校施設なのかどうか、今もって地域住民に情報が知らされておりません。避難場所として指定するのであれば、本来防災倉庫の設置、自家発電設備の附帯、水を確保するための浄水設備など、防災機能を整備した上で指定されるのが望ましいわけでありますが、せめて市内の学校施設や公共施設について、安全度を確認の上、避難場所として適切な施設なのか否か、早急に知らせるべき義務と責任があるものと思われますが、改めて答弁をいただきたいと存じます。 また、地域防災施設の整備には、文科省を初め消防庁、国交省、財団法人自治総合センター、内閣府などの財政支援制度があるわけでありますが、どの程度活用されているのかお尋ねをいたします。 防災士についても伺いたいと存じます。 防災の専門知識を備え、災害時に地域や職場のリーダーとして活躍する防災士の養成がNPO法人日本防災士機構によって行われております。資格取得者は年度半ばで1万9000人を超え、住民の防災意識の高まりに加え、自治体も資格者の育成に乗り出していることが取得者の急増につながっていると言われております。地域の防災力が向上すれば、減災につながるわけでありますが、自主防災組織のリーダー研修についての所見と防災士の養成についてお尋ねをいたします。 次に、原油の高騰に対しての対応をお尋ねをいたします。 期待された産油国の増産も現在の高騰は投機的な原因によるものと片づけられ、価格の上昇は一向にとどまる気配が見当たりません。市経済、市民経済に負担が強いられておりますが、原油高騰による影響の実態をどのように把握をし、どのような対策を考えているのかお伺いをいたします。 以上をもって壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(松坂喜史君) 市長。 〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。 まず、市民参加条例の制定についての御質問でありますが、市民参加条例につきましては、平成12年に北海道のニセコ町でまちづくり基本条例が制定されて以来、全国で制定する自治体がふえてきており、最近では自治基本条例の名称を採用する自治体が多くなっております。県内では、ことし6月に宮古市が制定いたしました。また、花巻市や奥州市でも制定に向け作業が進められていると伺っております。 全国で制定されている条例の内容を見ますと、おおよその傾向として規定されている事項は、住民の参加と協働、情報の共有等の基本理念、この理念を具体化するものとしての住民の権利、責務、そして議会・執行機関の役割、責務などがあります。住民投票、パブリックコメント、委員の公募などを規定している例もあります。 自治基本条例は、市民との協働の仕組みを規定しているとともに、多くの自治体では自治体にとっての最高規範として位置づけております。しかし、この自治基本条例には既存の他の条例との関係や釜石市民憲章との関係、総合計画基本構想との関係、また条例自体の実効性などの課題もあります。 私は自治基本条例、住民参加条例は、行政側でつくって案を公表するという従来のやり方でなく、住民から条例が必要であるという声が大きく広がった時点で、市民参加のもとで議論を重ねながら制定されるべきものと考えております。 私は市長に立候補するに当たり、地域会議を設置し、地域コミュニティーの醸成や地域課題の解決に向けて、地域として取り組むシステムの確立に努めることをマニフェストに盛り込んだところであります。この地域会議は、既設の生活応援センター単位に設置することを基本としていますが、さらに市内全域を対象として地域会議の連合体的な組織も設置したいと考えております。これらの取り組みの中で、市民みずからの盛り上がりの中から、条例制定に向けた機運が醸成されてくることを期待しております。 次に、道路特定財源の御質問でありますが、道路特定財源制度は受益者負担の考え方に基づき、道路の利用者が建設・維持費用を負担する合理的な制度であり、揮発油税、自動車重量税、石油ガス税、軽油引取税、自動車取得税、地方道路税などから構成されております。 また、昭和48年の道路整備5カ年計画達成のための財源に不足が生じることから、石油ガス税を除く税目に本則税率の1.2倍から2.5倍の暫定税率が適用されているところであり、国分3.4兆円、地方分2.2兆円の合わせて約5.6兆円の税収となっており、道路整備5カ年計画とあわせて、高速道路はもとより、市民生活に密着した市道等の道路の集中整備に大きく貢献してきたものと理解しております。 当市におきましても、平成18年度実績として自動車取得税交付金5688万3000円、地方道路譲与税5660万1000円、自動車重量譲与税1億6447万9000円、揮発油税から地方道路整備臨時交付金として7425万円の合わせて3億5221万3000円の交付を受けて、市道等市民の身近な道路の整備・補修を行っており、議員御指摘のとおり、非常に貴重な財源であると認識をいたしております。 中央のマスコミや一部有識者などには、道路整備は終わったとする論調が見受けられますが、県内陸部などと比較しても、高規格幹線道路を初めとした当市の道路整備はまだまだこれからであり、地域の活性化や都市部との格差を是正し、市民が安心・安全に生活するためには、道路特定財源を確保し、高規格幹線道路や生活幹線道路の早急な整備を行っていく必要があると考えております。 このような中、去る12月7日に道路特定財源の見直しについて政府与党が合意し、道路特定財源については平成20年度以降10年間、暫定税率による上乗せ分を含め、現行の税率を維持することとされており、地方道路整備臨時交付金制度の改善や地方の負担を軽減するための無利子貸付制度の創設が盛り込まれるなど、地方に大きく配慮した措置を講じる内容となっております。 現在、道路の中期計画や道路特定財源の見直しに係る関連法案の整備については、先行き不透明な部分はございますが、暫定税率を堅持した上で、地域の活力と暮らしを守る、真に必要な道路の整備が着実に図られるよう、議会、市民、行政が一体となって各種取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、企業立地推進本部及び少子化対策室の設置についての御質問にお答えをいたします。 私は所信表明で述べました施策の中で、早急に取り組まなければならないものとして、企業立地による産業振興と少子化対策を考えており、その具体化として、年度の途中ではありましたが、去る12月12日に2つの新しい組織を設置したところでございます。 1つは、企業立地による産業振興の具体化でございます。 今、3大基盤整備の完成により、企業を誘致しやすい条件が整いつつある千載一遇のチャンスを生かしていくためには、企業誘致を専門に担当し、誘致活動をしていく部署が必要であり、1つでも多くの企業と接触し、それを企業立地につなげ、雇用の場の創出を図っていかなければなりません。 これまで企業誘致は産業政策課が担当しており、企業誘致から企業が立地した後のフォローアップまで一貫して担当してまいりました。しかし、最近の企業誘致は、情報収集と分析、社会経済情勢、将来展望など緻密な計画の上で、戦略的かつ実効性のある行動力が求められております。そのために、私もみずから本部長となる企業立地推進本部を設置し、トップセールスの展開や人的ネットワークによる産業のクラスター化に戦略的に取り組む所存でございます。 今後は企業立地推進本部が企業誘致を専門に行い、企業が立地した後のフォローアップは産業政策課が担当することになりますが、その他にも庁内関係各課がお互いに連携していかなければならないものと考えます。 次に、少子化対策の具体化でございます。 少子化対策の領域は非常に広く、現在市役所の中でもさまざまな部署がそれぞれの施策を展開している状況にありますことから、これらを調整し、少子化対策に積極的に取り組むため、少子化対策室を総合政策課内に設置いたしたところでございます。 少子化対策室は、まずことしの11月からスタートした岩手県の子育て支援策であります、いわて子育て応援i・ファミリー・サービス事業を推進していくとともに、釜石独自のサービスの提供を検討し、来年度からの事業化を目指してまいりたいと思います。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き教育長並びに関係部長が答弁をいたします。 ○議長(松坂喜史君) 教育長。 〔教育長河東眞澄君登壇〕 ◎教育長(河東眞澄君) 私からは、学校施設の安全性についての御質問にお答えいたします。 耐震診断は、一次診断については、設計図書をもとに外観調査と構造強度の調査を行い、危険性の低い建物を抽出するもので、人間に例えれば定期健康診断のようなものであります。 一方、二次診断は、設計図書と現地調査をもとに、外観調査、コンクリート強度及び中性化深さ試験調査、構造強度の調査を行い、補強の内容を検討するために行うもので、人間に例えれば人間ドックの検査に近いもので、一次診断、二次診断とも構造耐震指標として数値であらわされ、二次診断の結果では一次診断の数値が変わります。 これまで実施してきた耐震診断の結果、新耐震基準が求める数値を満たしていない施設はあるものの、昭和53年に発生した宮城県沖地震の仙台市街地の震度である震度5強程度では、壁や柱等に何らかの被害が出てくることは想定されますが、施設そのものが崩壊するような施設はないものと受けとめております。したがって、現在使用している学校施設については、直ちに使用中止にするようなものはありません。 次に、耐震診断結果の公表についてですが、教育委員会としては基本的な考え方として、いたずらに混乱を招かないよう、二次診断を行い、しっかりとした耐震性を把握し、なおかつ今後の補強方法等の対策をしっかりと固めた上で行うこととしてきましたが、今後耐震化に向けた事業を推進していくためにも、庁内に設置している釜石市耐震化促進計画策定会議等における策定状況を踏まえ、平成20年4月には公表したいと考えております。 学校施設は、児童・生徒が一日の大半を過ごす場であり、災害時には市民の避難者収容施設にもなることから、一日も早い耐震化を図る必要があると認識しており、平成20年度はほかにも優先すべき事業が山積している中で、1校の二次診断を予定しております。 今後、学校統合計画との整合性を図りながら、引き続き耐震化に向けた関係予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(松坂喜史君) 総務企画部長。 〔総務企画部長岩鼻弘君登壇〕 ◎総務企画部長(岩鼻弘君) 私からは、入札制度の見直しについての御質問にお答えをいたします。 公共工事は、市民生活及び経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして、社会経済上重要な意義を有しており、その品質は市民のために確保されなければなりません。しかし、公共投資が減少している中で、受注をめぐる価格競争が激化し、公共工事の品質低下を招くことが懸念されたことなどから、平成17年に公共工事の品質確保に関する法律が施行されております。 総合評価入札は、この法律の中に位置づけられた入札方法で、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素も考慮し、価格と品質が総合的にすぐれた内容の契約を結ぶことを基本理念としており、これまでの価格だけで評価していた落札方式と異なり、入札価格が予定価格の制限の範囲内にあるもののうち、価格と品質を数値化した評価値が最も高いものを落札者として決定する方式です。 この方式について、東北地方での導入がなかなか進まないことから、県では昨年から説明会を何度も実施し、その導入を促しておりますが、先月までに総合評価入札を実施した県内市町村はありませんでした。こうした中で、当市では今月6日に市内土木A級の業者を対象とした片岸川河川改修工事におきまして総合評価入札を試行し、12日に入札結果を公表したところであります。 当市の試行では、簡易型、標準型、高度技術提案型に分類されている総合評価入札の方式の中から、簡易型を選択し、技術評価項目では企業の施工実績、工事成績評定、優良工事の表彰、ISOの認証取得、新分野進出の実績、技術者の施工経験、配置予定技術者の受賞経歴の有無、そして地域精通度として地域内拠点の有無、災害活動実績の有無、雇用対策の実績の有無を点数化し、落札者の決定に反映させております。 今年度の総合評価入札の試行は、対象とした工事が1件だけでしたが、今回の取り組みの結果、最低制限価格の導入といった課題や、技術評価点の地域精通度に地元への貢献度として、消防団や認知症高齢者徘回SOSネットワークなど地域活動への参加状況を考慮するといった釜石独自の技術評価項目の追加について検討が必要と認識しております。 建設工事の調達に当たっては、現在、条件つき一般競争入札や総合評価入札の試行、工事費内訳書の徴収などの入札改善の取り組みを行っておりますが、今後ともこれらの実績を重ねながら、よりよいものとしていきたいと考えております。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 〔市民環境部長山崎義勝君登壇〕 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 私からは、防災における課題及び原油高騰への対策についての御質問にお答えをいたします。 まず、防災施設などの整備への財政支援の活用についての御質問でございますが、当市では防災の学習や訓練など多目的に利用し、災害時は避難場所として活用できる防災拠点施設と消防屯所を合築したコミュニティ消防センターを市内各地域に順次整備してきております。 この整備に当たっては、防災基盤整備事業債や国土交通省所管の地域住宅交付金事業を活用し、現在まで市内に11施設を整備してきたところでございます。また、地域の防災活動を支援するため、財団法人自治総合センターのコミュニティ助成事業を導入し、これまで市内9カ所の自主防災組織に対し、災害時に必要となる資機材や備蓄品等の整備に助成してきております。さらに、自主防災組織を育成するため、新たに結成した自主防災組織の活動資材や運営に対する市独自の助成制度も設けております。 そのほかにも多くの支援制度がございますが、支援制度の内容によっては他市町村からの希望も多く、地域のバランスを見ながら順次採択しているものや、希望する事業に合致した制度がないなど、希望どおりに事業を進めることができない場合もございます。 しかし、近い将来必ず発生すると言われております地震などの災害に対応するためには、防災、減災に直結する施設や資材を順次整備していくことが必要でありますことから、今後とも国などの支援制度を積極的に活用し、地域防災力の向上に努めてまいります。 次に、防災士の育成についての御質問でございますが、防災士は特定非営利活動法人日本防災士機構が定めた研修を履修し、消防署や日本赤十字社などの公的機関が主催する普通救命講習を受けて、防災士試験の受験資格が取得でき、その後試験に合格し、防災士登録を申請することで認証される民間の資格でございます。 防災士は、自助、共助を原則として、社会のさまざまな場で防災に関する活動を行うための十分な知識、技能を持った方々でございます。日本防災士機構の資料によりますと、全国で平成19年11月末現在、2万666名が認証登録されており、岩手県では287名が防災士の資格を得ております。 大規模な災害が発生した場合、行政を含む公的な防災機関においても救援活動がおくれることが予想されております。このため、地域社会における防災士が自主防災組織等のリーダーとなり、平素から防災知識の啓発や大規模災害に備えた訓練に地域で取り組むことで、適切な防災体制が築かれ、減災へ貢献するものと期待されております。 しかし、この防災士の資格の取得には3日間の履修期間と6万円ほどの受講費用のほか、研修会場までの旅費等を含めると十数万円の費用が必要となっております。 また、防災士の資格とは別に、岩手県では今年度から自主防災組織のリーダーを育成するため、自主防災組織リーダー研修を実施しております。今回は県が費用を全額負担し、12月4日から2日間、岩手県消防学校において研修が実施されました。当市では、自主防災組織のリーダー育成とともに、参加者の金銭的、時間的負担をなるべく少なくするため、この研修への積極的な参加を自主防災組織関係者へお願いしたところ、3団体からの参加の申し込みがありました。申し込みされた自主防災組織のリーダー3名がこの研修を受講し、防災に関する知識や技能を習得してきたところであります。受講者からは「大変有意義で、これからの防災活動に非常に参考になった」「さらに地域の方々にも受講させ、防災知識の向上を図っていくべきである」との御意見をいただいております。 本研修は来年度以降も引き続き実施される予定でありますので、当面は負担の少ないこの研修への参加を地域防災のリーダーとなる方々へ積極的に働きかけていきたいと考えております。また、研修により知識や技能を習得した方々が防災士的な役割を果たせるよう、その活動を支援してまいりたいと考えております。 次に、原油高騰による影響と対策についての御質問でございますが、国では昨今の原油価格高騰が国民生活や下請中小企業の経営を直撃しつつある状況を受けて、幅広い視野から早急にきめ細かな対策を検討するため、去る12月11日、原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議を開催したところであります。この会議では、中小企業など業種横断対策、地方の生活関連対策、国際原油市場の安定化への働きかけなどの基本方針を取りまとめたところであります。 県議会におきましても、去る12月12日、高騰を続ける原油価格に関し、国に対して原油価格の高騰に関する対策を求める意見書を全会一致で可決しております。 原油価格の高騰による影響といたしましては、まず、産業活動においてですが、中小企業者が原油価格の高騰に対して十分な価格転嫁を行うことが難しく、経営環境に深刻な影響を受けております。そのため、国・県においては原油価格高騰対策として資金繰り支援や金融円滑化などの対策を迅速に進めております。 当市の中小企業振興資金の融資につきましても、国の方針を受け、業況の悪化している業種で製造原価のうち原油等の仕入れ価格が20%以上を占めている中小企業者につきましては、セーフティネット保証制度として、融資枠の拡大や信用保証料の軽減措置を行っているところであります。 農林業におきましては、原油高騰により大きな影響を受けるものは、冷暖房を活用するハウス栽培等で、市内では5戸程度があります。このうち菌床シイタケにつきましては、冬期間を通じて暖房機を使用しており、灯油の使用料はハウス1棟当たり月200リッターにもなると聞いており、大きな影響が出ている状況です。市では、今後も状況把握に努め、低利融資等、農水省の制度利用を希望する農家への支援を行ってまいります。 水産業におきましては、A重油を多く使う漁船業ほど原油高騰の影響が大きく、燃料上昇の一方で魚価は低迷し、自助努力では対処できない状況にあります。当市で経営体が多い養殖業につきましては、ワカメやコンブをボイルするための灯油が高くなることで経費がふえるため、塩蔵ボイル加工出荷から付加価値の低い生出荷へ転換する生産者がふえてきています。市が行った聞き取り調査では、生産者、漁協とも燃料の高騰に苦慮しており、一部の漁協では手数料を引き下げて漁家の経営意欲の維持に努めていると聞いております。 次に、市民生活への影響についてですが、ガソリン、灯油などの石油製品の価格がことしになり増加し続けており、最高値を更新している状況にあり、家計の負担はふえ続ける一方でございます。特にも生活困窮者へ与える影響は、ガソリンや灯油代の高騰に加え、原油価格高騰の影響を受ける原材料費や穀物価格の高騰とも相まって、食料品から日常生活用品に至るまで価格上昇を招いており、一層深刻であるものと認識しております。 このような中、政府は原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議におきまして、原油価格の高騰に伴う中小企業、各業種、国民生活等への対策の強化についての基本方針として、生活困窮者対策など地方公共団体の自主的な取り組みへの支援等を行うこととしました。具体的な取り組みといたしましては、自治体が生活困窮者に対して行う灯油購入費助成など地方公共団体が自主的に行う原油価格高騰対策に要する経費について特別交付税で財政支援をする形というものでございます。 市といたしましては、緊急対策関係閣僚会議で決定した対策が順次実施されますことから、国の動向を注視するとともに、今後とも関係団体などと情報収集、情報交換を行いながら、原油高騰の対策に全庁的に取り組んでまいります。 ○議長(松坂喜史君) 健康福祉部長。 〔健康福祉部長野田喜一君登壇〕 ◎健康福祉部長(野田喜一君) 私からは、損害賠償請求事件の和解についての御質問にお答えをいたします。 この損害賠償請求事件は、平成18年6月2日付で提訴され、これまで約1年半にわたり、口頭弁論、弁論準備手続などが行われて、去る12月6日に和解が成立をいたしたところであります。 この争いの中での主な原告の主張としましては、契約は覚書にある7年間であるというものでしたが、釜石市は地方自治法に基づく単年度契約である、覚書は特に支障がなければ更新するという単なるメモであり、設置期間の拘束力はない、病棟・病院閉鎖はやむを得ない事情によるもので、債務不履行ではないという主張などで争ってまいりました。 裁判は、相手の主張と異なるために争うわけで、基本的には市側には非がないという前提でありますが、和解に当たっては、裁判所は市の業務について、単年度契約や会計年度独立の原則には理解を示したものの、覚書については実際に取り交わしていること、覚書の根拠は努力目標だが、市にも責任はあるという見解を示しております。 このように覚書について原告との認識が違うことは、事務処理手続が十分でなかったことを反省をいたしております。また、和解とはいえ、公金の支出を生じたことを重く受けとめ、責任を感じているところであります。 今後このようなことがないように十分留意をするとともに、法令を遵守し、適正な事務執行手続を一層進めるよう努めてまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) 再質問の時間が余りございませんが、簡潔に質問いたしますし、簡潔にお答えをいただきたいと思います。 まず、市長にお尋ねをさせていただきたいと思います。 所信表明の中で、小沢前市長の市民総参加という政治理念を引き継ぐということでございます。なぜ市民総参加を引き継ぐという気になったか、また、なぜ市民総参加が必要なのか、まずお答えいただきたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) ただいま山崎議員の方から市民総参加についての御質問をいただいたところでございます。なぜ前小沢市長の市民総参加の考えを踏襲したのかと、こういうことでございますが、私は考えを踏襲したというよりも、私の考えと全く同じだったという結果論でございますが、そこにまず1つ大きなところがございます。 そしてまた、議員も既に御承知のとおり、各市町村におきましても、そういういわゆる市民主体の行政運営が進められていると、そういう大きな時代の流れの中で、釜石がそういう意味では小沢市長さんがやろうとして、もう一歩のところまで来ておりながらそこができなかったと、そういう状況の中で、あえて私がそれを引き継ぎながら、市民の皆さんと一緒に新しい釜石をつくっていきたいと、そういう決意を述べさせていただいたところでございます。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) なぜ市民との協働、あるいは行政運営に市民の声を反映させなければならないのかということだと思うんですよね。その辺についての所見を伺いたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) ただいまの質問は、非常に地方自治の大変重要な核心の部分の御質問だと思います。まさしく日本の戦後、地域の皆さんが一生懸命努力して先進国に肩を並べるほどの国として成長、発展をしてきたと、こういうことでございますが、しかし、翻ってみると、その国を形づくる一人一人の人間の主体性というものが果たして生かされてきたのか、そうしたものが尊重されてきたのかということになりますと、いささかやはり疑問に思うところがあるわけでございます。 そうしたさなか、今地方分権ということで、地域のことは地域の皆さんでやっていこうと、そしてまた新しい日本という国、そしてまた新しい地域をつくっていこうと、そういう気概が今盛んに盛り上がっている、そういう時期ではないかと、このように思っておりまして、そういう中にあって、これからの釜石、そしてまた大槌を含めて、この地域に住む我々として、そうした新しい時代の流れの中で、地域の皆さんが一緒になってこの政治のあり方を考えるよきチャンスではないかと、こう思ったわけでございまして、それで今回の私のマニフェストもそのことを地域会議という名前ではございますが、いわゆる地方分権の流れの中の地域の主体性をどうつくるかという新しい行政のあり方を探っていきたいと、このような意識を持ってマニフェストを提示したと、こういうことでございます。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) 基本的には主権は住民側にあるという憲法の規定だと思うんですが、そこで伺っていきたいと思います。 市長報告の中で、損害賠償請求事件を市長が起こされました。この件をきょう質問させていただいたわけでありますが、あの市長報告の中で、最後のところ、結びですね、「なお、今後は法令を遵守することはもとより、適正な事務執行手段を一層進めるよう努めていく所存であります」ということで、この損害賠償請求事件の市長報告を終わったわけであります。 私は非常に残念だったんですよ。きょう健康福祉部長の方から反省の弁と、それから責任を感じているという答弁があったわけでありますが、そこで今度は総務企画部長にお尋ねをしたいんですが、では、その責任の所在についてどのように決着をつけるのか、どのように扱うのか、どのような考えを持っておられるのかお尋ねします。 ○議長(松坂喜史君) 総務企画部長。 ◎総務企画部長(岩鼻弘君) 今回の和解に当たっては、裁判官の方から覚書の部分について、事務処理に問題があったというような考え方も示されております。このことにつきましては、事務処理全般についてどこに問題があって、だれに責任があったのか、いずれ今回の件については庁内の懲戒審査会、これにおいて事実関係を慎重に調査して厳正に対応したいというふうに考えております。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) こういう事案についてはですね、議場で取り上げるというのは本当は不本意なんですよ。しかし、私はこの市長報告の中で、きょうの健康福祉部長が答弁された部分、あるいは今、総務企画部長が答弁された部分も盛り込んだ市長答弁であれば、改めて一般質問で取り上げることはなかったろうと思います。優秀な職員であっても、落ち度もあるし、誤りもあると思います。私も毎日反省の連続であります。そういったことをですね、一々取り上げて特化して問題視するというのは余り好きじゃないんですが、市民感情とすれば、なぜ市民の血税である公金900万円を原告側に支払いをしなければならないんだという大きな不満があるわけであります。それを通り一遍の市長報告で終わられたのであれば、私は議員の一人として、やはり黙って見過ごすわけにはいかないわけであります。 長年、学校法人の経営に当たってこられております市長でありますから、民間感覚というのは市の職員の皆さんより強いそういう意識があろうかと思いますが、民間の経営感覚からいって、今回のこの公金900万の出動ということについてどのような見解なのか伺っておきます。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) ただいまの損害賠償請求事件の和解ということの懸案の事項につきましてでございますが、まずこの件につきましては、まず1つ、さきの12月10日の市長報告におきまして、今後は法令を遵守することはもとより、適正な事務執行手続を一層進めるよう努めていく所存でありますということで報告をさせていただいたところでございます。 議員が御指摘のとおり、私はこの文言の中に反省も含めながら報告をしたつもりではございますが、確かにその反省を議員の皆さん、そしてまた市民の皆さんに伝えるような文言ではなかったかもしれないということで、改めてそのことを強調しておわびを申し上げたいと、このように思っております。 どのように思うかと、こういうことでございますが、私も11月19日に就任をしたところでございまして、この経過につきましての説明をいただきました。報告によりますと、まずこの事案につきましては、去る11月2日に開催いたしました臨時市議会において、釜石が和解に応じるということについての議会での可決がなされたということでございましたので、私は恐らくその場でそうした具体的な話がなされ、反省の弁があったと、このような認識のもとで、先ほど申し上げました市長報告ということになったわけでございまして、そういう意味では多少の認識の違いがあったということの点についても、まずおわびをしなければならないと、こう思っております。 それから、覚書自体のあり方でございますが、いろいろと説明を聞きますと、いわゆる市役所の事務処理上にとってはなければならなかったといいますか、そういう一つのあり方だったということでございますが、現在はその制度がなくなりましたので、そういうことはやらないと、こういうふうに受けとめておりますが、いずれそういう覚書があった、交わされたということは事実でございまして、この点からもやはり深くこれは反省をしていかなければいけないと、このように思っております。 ただ、先ほど部長の方からお話がございましたとおり、これからこの件につきましては、懲戒審査会ということで、これからいろいろと今までの事務処理の全般、そしてまた責任の所在について調査をすると、こういうことでございますが、私はその責任の所在ということに関していえば、これは特定の個人の責任ではなくて、やはりそういう事務処理上の手続を許してきた庁内のそういう体制といいますか、体質にかかわる、そういう問題であろうと、こう思っております。 ですから、その点について改めて調査をし、今後そういうことのないように指導監督を徹底していきたいと、このように思っておりますので、どうぞ御理解をいただきますようにお願いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) 再質問の冒頭に、なぜ市民総参加なのかと、あるいは市民と話をする日ですか、そういったものを設けたということを確認をしたかったわけですが、私は政というのは、住民が何を考え、何を望んでいるか、どういう痛みを持って、どういう喜びを持っているのか、そういうことに敏感に行政はなってほしい。今回のこの事案につきましても、苦労して納めた税金がむだに900万円も使われていってしまう。行政に何かをお願いをしても、財源がないと言ってなかなか実現してもらえない。そういう今御時世の中で、900万の全く市民の血税です。国からも県からも、この900万の補助が入るわけじゃないわけですよ。そういうことをもっと敏感に感じ取っていただきたいと、市職員の皆さんに。 確かに市長前任者のときの問題でありますが、ぜひそういった部分でですね、新市長に市職員のそういう面での教育といいますか、倫理観といいますか、そういう職務がきちっとできるような体制をぜひ構築されるよう御指導をいただきたいと、そのように思うところであります。 同じように、市民の痛みということで、原油高騰についての質問もさせていただきましたし、過日はこの原油高騰に対する対策をとっていただきたいという要望も市長にさせていただきました。これは総務省が市町村のそういう対策について特別交付金を出したいということからされたわけですが、この原油高騰に対する対策についてもですね、非常に遅いと。もっと敏感になってスピーディーにこういう対策はしてほしいと今回感じたわけであります。 時間も少なくなってきましたが、この対策としてそれぞれの部にそれぞれの対策が考えられたかと思うんですが、時間が余りありませんが、簡単で結構です。総務省にどのような報告をされたのかお尋ねをしておきたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 私が答弁しておりますので、私から概略的にお話をさせていただきたいと思います。 いずれ各部にまたがっております。総務省の方には、今のところ連絡はしておりません。ただ、市民生活の困窮、要するに原油高騰ということで、これをやはり実態を考えたときに、今特に市民生活ということでございますので、健康福祉部の方でその対応を検討しているというところでございます。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) 総務省に直接ではなくて、県でまとめて総務省報告でしょう。これは12月18日までに、おとといまで報告しなければならないはずですよ。 まず市長にお尋ねします。この原油高騰に対する対策、支援をするのかしないのか、その1点お伺いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市長。 ◎市長(野田武則君) この件につきましては、支援をするという前提で関係庁内の皆さんに指示をしたところでございまして、部長の方から具体的には説明したいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 総務企画部長。 ◎総務企画部長(岩鼻弘君) 大変申しわけございません。 今の件につきましては、18日までにということで県の方から通知が来ておりまして、一応概算で県の方には報告してあります。それに基づいて正式な処理について後日連絡があるというふうに考えております。 ○議長(松坂喜史君) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(野田喜一君) 生活困窮者対策として、今市長が御答弁申し上げましたとおり、灯油の購入費の一部助成を低所得者に対して実際今検討していると。助成をする範囲ですとか金額、あるいは事業期間、どういうふうな方法でやるかと、いつからやるかと具体の検討を行っているということでございます。 そしてまた、今現在、県においてもですね、市町村に対する助成制度の検討ということも進められておりまして、この年内にはその方針が打ち出されるということもございます。したがいまして、我々としては国あるいは県の動向を踏まえながら、財源、予算を確保しながら、できるだけ早く案を固めて実施をしていきたい、このように考えております。 ○議長(松坂喜史君) 経済部長。 ◎経済部長(佐野善次君) 産業活動、例えば農林業、水産業、中小企業ですね、こういった生産活動の意欲を減退させないように、我々もですね、国・県と連携を図りながら、関係機関等と連携しながらですね、対応を図っていきたいと思っております。 例えば、先ほど答弁しましたけれども、中小企業に対しましては中小企業振興資金制度、これのセーフティネット保証制度ですね、これらを活用して対応したいと思いますし、あるいは農林業、水産業についても、国とか県の例えば運転資金の低利融資であるとか、省エネ型農業機械の導入に対する補助とか、あるいは水産についても、融資制度、低利融資制度、そういった活用を呼びかけてまいりたいと。漁協さんとか農協さんと連携を図りながら、そういった活動をしていきたいと思っております。 ○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。 ◆17番(山崎長栄君) 時間がなくなりました。まだまだ再質問したかったんですが、補正予算の中でできるものはしてまいりたいと思います。 以上で終わります。 ○議長(松坂喜史君) 17番山崎長栄君の一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。                午後2時59分---------------------------------------                午後3時30分 ○議長(松坂喜史君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。休憩前に引き続き、一般質問を続行いたします。7番坂本良子君、登壇を願います。(拍手) 〔7番坂本良子君登壇〕 ◆7番(坂本良子君) 日本共産党議員団の坂本良子です。 通告に従って一般質問を行います。 まず初めに、学校給食について。 小・中学校で実施されている学校給食をめぐり、文部科学省は主要目的を従来の栄養改善から食の大切さや文化、栄養のバランスなどを学ぶ食育に転換する方針を固めました。1954年に学校給食法が施行されて以来、今回初めて学校給食法の大幅な改正を行うとして、来年の通常国会に改正案を提出するとしています。当初は戦後の食料難を背景に、不足しがちな栄養を給食で補うことを主な目的としていましたが、食料事情が改善された上、子供の食生活の乱れが指摘され、2005年に食育基本法が成立し、学校給食法も実態に合った内容にする必要があると判断したためと見られます。 その改正の主なところは、学校給食の主な目的を従来の栄養改善から食育に転換すること、地元の食材を活用し、生産現場での体験などを通じて郷土への愛着を育てること、食育を推進する栄養教員の役割を条文に盛り込み、明確にすること、子供に必要な栄養の量やバランスを示すということや、食中毒防止策など衛生管理の基準を規定し徹底させるということなどです。 現在、当市で行われている学校給食は、小学校はセンター方式、中学校はお弁当を宅配するデリバリー方式ですが、学校給食法の改正について、今度の文科省の改善点をどのように受けとめているのかお伺いいたします。 当市は、ことしの5月から中学校給食として、県内では初めて業者委託弁当のランチサービスを実施していますが、対象者は市内の5つの中学校1099名とし、家庭からのお弁当の持参も認めています。目的として、教育活動の一環として中学生の健康増進と自分の食事について考える力を育成するとしていますが、当初注文総数が397人、喫食率は36.1%という決して高い利用状況ではありませんでした。現在の喫食率はどのようになっているのかお伺いいたします。 9月議会では、中学校給食の注文数が低い理由として、ランチサービスが栄養率を整えた給食であることが伝わらない家庭があり、食育指導の中で学校給食の意義がわかってくれば注文数もふえていくのではないかと答弁しています。その後、注文数をふやすためにどのような対応を行ったのかお伺いいたします。 ランチサービスは厳しい財政事情の中で、すぐに実施可能な方式として採用したとしていますが、中学生は小学生に比べて1.3倍のカロリーを必要とし、小学生の1食当たりの給食費278円に対して、中学生の給食費は360円としています。しかし、実際の中学生の食材費は小学生の6割程度の180円で、残りの半分は業者の経費等となっています。そういう中で、旬のもの、地元のものを利用したいと思っても、業者との経費のことで折り合いが合わないこともある中、時には献立の変更もあると言われています。このままでは献立を作成する栄養士さんの努力にも限界が出てくるのではないかと心配されます。育ち盛りの中学生の食材費が小学生よりも低いことについてどのように考えておられるかお伺いいたします。 11月半ば、釜石市と大槌町の学校給食に主食の米飯などを供給している納入業者の家族からノロウイルスが検出され、主食の提供が一時停止されました。市教育委員会は給食施設での発生を重視し、この業者からの調達を当面見合わせ、盛岡の財団法人県学校給食会からパンの供給を受けたとされています。本来なら副食だけでなく主食も給食センターで賄うのが当然ではないかと思いますが、主食を委託方式とした経過についてお聞きいたします。 今度のノロウイルスによる主食の配給中止は、委託方式でいいのかどうかが問われました。今後子供たちの食中毒を防ぐためにも、主食の調達方法を含め、どのような検討をされているのかお伺いいたします。 次に、後期高齢者医療制度について。 後期高齢者医療制度が来年の4月から実施されることになりました。この制度は岩手県広域連合とし、別組織として運営されますが、国はこの制度の問題点を明らかにしていないため、市民には後期高齢者医療制度の中身はほとんど理解されていないのが現状です。問題を明らかにするのが議会の役割でもあるという立場から質問をいたしますが、今後、市民への後期高齢者医療制度の徹底をどのように行おうとしているのかお伺いいたします。 政府は後期高齢者医療制度による保険料徴収の一部凍結を言っていますが、その対象となるのが現在サラリーマンの扶養家族として健保に加入している人だけで、その凍結期間も半年というものです。全国1300万人の後期高齢者の大半を占める国保加入者およそ1000万人の保険料は、予定どおり4月から徴収されます。特に、後期高齢者の保険料滞納者から保険証を取り上げることは深刻であり、命にもかかわってきます。 ことしの3月議会で、同僚議員の質問に対して、資格証明書の交付は被保険者間の公平性を保つため、また国保制度の安定的な運営の観点からもやむを得ないものと判断しますと答弁していますが、来年の4月時点でどれほどの滞納者を予想しているのか、また低所得者対策をどのように考えているのかお伺いいたします。 後期高齢者医療制度は、今までの老人保健制度にかわるもので、国保制度から老人保健制度への持ち出しがなくなるかわりに、後期高齢者医療制度への持ち出しが生じます。ことし3月の決算では、およそ6億円の国保基金となっていましたが、当局は後期高齢者医療制度になるとこの基金を取り崩さなければならないと答弁してきました。その見通しについてお伺いいたします。 今度の後期高齢者医療制度の問題点は、医療にお金がかかる後期高齢者にはなるべく医療を受けさせず、終末期には病院から追い出そうというもので、医療費の抑制をねらっているところにあります。 第1に検討されているのは、後期高齢者の診療報酬を包括払いの定額制とし、保険医療に上限をつけることです。保険のきく医療に上限がつくと、どんな治療行為をしても病院が受け取る診療報酬がふえなくなり、後期高齢者に手厚い治療を行う病院ほど赤字になります。このため、検査、投薬の制限や入院、手術の粗悪化、早期退院などの促進が考えられます。 また、厚労省は後期高齢者に主治医と言われるかかりつけ医を決めさせ、かかりつけ医の指示や紹介なしでは他の診療科に通いにくくすることを検討しています。後期高齢者の中には、複数の疾病を抱えている人も多くいます。新しい制度はそういう方々の医療を受ける機会を制限していこうというものですが、もしこの制度がこのまま実行されるとすれば、当市の後期高齢者に与える影響をどのように考えるのかお伺いいたします。 今度の制度では、今後自治体、医療現場で問われてくる課題に特定健診の問題があります。 来年4月から各医療保険は40歳以上の加入者への特定健診の実施と保健指導が義務づけられます。これまで自治体が住民に実施してきた基本健診や使用者が労働者に対して行ってきた事業所健診は、住民、労働者の健康保持、病気の早期発見、治療を目的としてきました。ところが、特定健診はその最大の目的を医療費の削減としています。 健診の内容の目玉は、メタボリックシンドロームと言われる内臓脂肪症候群の予防改善です。保険者は腹囲測定を軸に、メタボの保険加入者を見つけ出し、保健指導を行うことが義務づけられます。重大なのは、健診の受診率や指導による改善率が悪い医療保険には、特定保険料の加算というペナルティーが科せられることです。 特定健診の導入により、従来老人保健法に基づいて自治体が公費で行ってきた基本健診は廃止され、健診の実施主体は国保に移ります。費用の市町村分は国保財政から拠出され、国保税の値上げにつながることになります。一部の自治体では、これ以上の国保税の値上げはできないと、従来は無料や定額負担だった健診を有料化、値上げする動きも起こっています。国保税にせよ、利用料にせよ、住民負担増に変わりありませんが、当局はこの特定健診をどのように考え、財政負担をどのようにしようとしているのかお伺いします。 また、従来の基本健診は40歳以上のすべての住民が対象でしたが、特定健診では75歳以上は対象外となります。後期高齢者に受診を行うかどうかは、各広域連合の判断に任されます。もし岩手県後期高齢者医療連合が健診を行わなかった場合、市独自で行うのかどうかお伺いいたします。 これで壇上からの質問を終わります。再質問は自席から行いますので、よろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(松坂喜史君) 市長。 〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 坂本議員の御質問にお答えをします。 市民への後期高齢者医療制度の周知の徹底についての御質問ですが、近年の国民医療費は33兆円から34兆円に達し、その3分の1が老人医療費であると言われております。高齢化の進展に伴い、今後ますます増大するであろう高齢者医療費を安定的に賄うため、持続可能な制度を構築することが喫緊の課題となっております。 また、現在の老人保健制度は国保や被用者保険に加入して、それぞれの保険料を支払いつつ、給付は市町村から受けるという財政運営の責任が明確でない仕組みであることや、現役世代と高齢者の費用負担関係が明確でないことなどの問題点が指摘されておりました。 そこで、現役世代と高齢者世代の負担を明確にし、公平でわかりやすい制度とするため、75歳以上の方を対象に独立した制度として創設されることとなったのが後期高齢者医療制度であります。 後期高齢者医療制度は、平成20年4月から始まる新しい制度でありますことから、制度施行とともに被保険者となる方はもちろんのこと、支援金を拠出する医療保険者を含め、広く住民に周知をし、理解を得ることが重要であると考えております。 制度の運営に当たっては、都道府県の区域ごとにすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合によって、広域的かつ効率的な運営を図ることとされておりますが、岩手県においても平成19年2月1日に岩手県後期高齢者医療広域連合が設立され、その広域連合及び岩手県におきましては、これまで新聞広告やリーフレットによる周知に取り組んでおります。 また、当市におきましても、本年8月以降、市広報やホームページへの掲載、市政番組の放映、生涯学習まちづくり出前講座や町内会等を対象とした個別説明会などで周知を図ってまいりました。さらに、10月1日には市民課内に後期高齢者医療制度相談窓口を設け、住民や医療機関等からの相談に対応する体制を整えるとともに、個別の相談やリーフレットの配布などによる周知を行っております。 また、11月19日に開催されました岩手県後期高齢者医療広域連合議会において、保険料率等が決定いたしましたので、今後広域連合では、県内全戸用のチラシを配布するほか、新聞やテレビでの広報活動を予定しております。当市におきましても、保険料率等の具体的な内容についてお知らせをするため、引き続き市広報やホームページへの掲載、出前講座及び個別説明会の開催、さらには相談窓口での対応などにより、より一層の周知徹底を図ってまいります。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き教育長並びに市民環境部長が答弁します。 ○議長(松坂喜史君) 教育長。 〔教育長河東眞澄君登壇〕 ◎教育長(河東眞澄君) 私からは、学校給食についての御質問にお答えいたします。 現在の学校給食法では、小・中学校で実施されている給食の主な目的を栄養改善に置いておりますが、文部科学省が固めた改正案では、主な目的を食の大切さや文化、栄養のバランスを学ぶ食育に転換する方針となっております。また、目的に関し、教科外の特別活動とされている給食を子供の栄養補給の場とするだけでなく、食材の生産者や生産過程、流通や食文化を学ぶ場と明確に位置づけております。 改正案で示されているとおり、食育とは食べることを通して食材の生産の場、流通の仕組み、食文化等社会全般の成り立ちについて学び考えるということにあると思いますことから、時代の変化に対応し、学校給食についての認識を新たにするべきものととらえております。具体的には、小学校及び中学校においての食に関する指導や生産者とふれあいながら学ぶ機会を設けること等について、学校教育活動全体で取り組んでいくべきものと考えております。 したがいまして、学校給食の主目的を食育と位置づけ、給食を通して社会全般の成り立ちについて学び、考える力をつける内容に取り組むとともに、子供たちに安全・安心な給食を提供するため、衛生管理についても徹底していくべきとする考え方であると受けとめております。 次に、中学校ランチサービスの現在の利用率についてはどうなっているのかとの御質問にお答えいたします。 中学校ランチサービスにつきましては、家庭の自主性にも配慮し、家庭からの弁当持参とランチサービス利用の選択方式としているところです。利用率につきましては、1学期のランチサービス開始当初の5月は36%以上でしたが、2学期は各月30%前後となっております。 2学期におきましては、この方式についての保護者の理解を広げるため、中学校ランチサービス運営委員会の1学期ランチサービス検証作業において出された課題点について取り組んでまいりました。取り組み内容として、まず各中学校ごとに保護者を対象としたランチサービス試食会を行うとともに、献立担当者である学校給食センター栄養士が食に関する講話を行い、学校の先生や保護者との意見交換の場を設けてまいりました。 試食会に参加した保護者の意見ですが、利用拡大につながるものとして、「栄養面を考えれば大変いいし、おいしい。子供たちにもっと食べてほしい」「ランチサービスは働いている親にとってはとてもありがたいサービスです」という声が寄せられております。そういう中で、「おかずのみ注文でき、御飯は自宅から持っていけるようにしてほしい」等の要望の声もいただいております。 また、申し込み日の短縮化につきましては、ランチサービス開始当時は翌月分申し込み日を3週間前としておりましたが、現在は10日前に短縮しております。さらに、毎月調理業者と献立検討会も開催しております。また、利用率向上のために、今までの日替わりメニューに加え、中学生の嗜好を考慮した特別メニューの取り入れについても現在検討を進めております。 今後ともこのような取り組みを繰り返す中で、時間をかけながら生徒、保護者の理解を広げ、可能な改善点を検討しながら、利用者のすそ野を広げるように努めてまいります。 次に、中学校ランチサービスの給食費についての御質問にお答えします。 中学校ランチサービスにつきましては、当市の中学校給食検討委員会が先進地視察も行い、検討を重ねた結果、すぐに実施可能な方式として採用したものであります。集めた給食費の中で、調理業者の努力により安価で安心な旬のものを使用し、学校給食法に準じた栄養バランスのとれたランチサービスを提供しているところです。 教育委員会としましては、利用者をふやしていくためにさらなる努力をする必要があります。ランチサービスのあり方、その運営方法につきましては、今後とも生徒、保護者、教職員のアンケートや聞き取り調査を行い、中学校ランチサービス運営委員会での検証作業において、改善すべき課題点を明らかにし、中学生にとってよりよいランチサービスとなるよう努めてまいります。 次に、主食を民間委託方式とした経過についてお答えいたします。 平成3年に現在の釜石市学校給食センターができる以前の単独校方式のときは、パンは現在の納入業者等が岩手県学校給食会の指導を受けて製パンし、各学校に供給しておりました。また、米飯については、各学校において自校方式で独自に炊飯しておりました。 その後、八雲共同調理場がつくられ、パンについては納入業者が供給し、御飯については八雲共同調理場で炊飯して、釜石小、八雲小、白山小に供給しておりました。 そして、平成3年に現在の学校給食センターが上中島町に設置された時点から、へき地校を除く市内全小学校に完全給食の提供を実施できるに至っております。その際に、パンと同じく御飯についても、岩手県学校給食会が主食指定業者である現在の納入業者に炊飯を委託したという経過があります。 なお、県内における自校方式以外の共同調理場の多くは、主食である御飯の炊飯、製パンについては岩手県学校給食会の主食指定業者に委託しております。そのことにより、主食提供を一時停止しても、副食は提供できることになります。 最後に、子供たちの食中毒予防のため、どのような検討をしているかとの御質問にお答えいたします。 今後、より安全な学校給食とするための取り組みとして、委託業者にさらに衛生管理の徹底を指導するとともに、釜石保健所、市教育委員会、委託業者等で構成する連絡調整会議を新たに設けて、関係者が一堂に会し、絶えず情報の共有を行うとともに、釜石保健所の指導を得ながら、一層の衛生管理の徹底を確認し合っていく方針であります。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 〔市民環境部長山崎義勝君登壇〕 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 私からは、後期高齢者医療制度について、まず滞納者と低所得者対策についての御質問にお答えをいたします。 後期高齢者医療制度に加入する被保険者は、現在加入している国保や被用者保険からは抜けて、新たに後期高齢者医療制度に加入することとなります。したがいまして、保険料につきましても、これまでの制度の負担はなくなり、新たに後期高齢者医療制度の保険料を納めていただくことになります。 保険料の徴収方法は、年金からの天引きとなる特別徴収と納付書による普通徴収の二通りとなります。後期高齢者の約8割は滞納の生じないと思われます特別徴収となり、残り約2割が普通徴収となる見込みであります。広域連合では、普通徴収のうち8%程度が滞納になるのではないかと推計しております。 また、低所得者に対しましては、保険料の算定において世帯の所得水準に応じた均等割の軽減措置が講じられることや、医療機関を受診した際の月ごとの自己負担限度額においても、現在の老人保健制度と同様、一般の被保険者よりも低く設定されることから、保険料及び給付の両面で負担の軽減が図られるものと考えております。 次に、国保財政調整基金の見通しについての御質問にお答えをいたします。 まず、後期高齢者医療制度の創設に伴う国保会計への影響について御説明をいたします。平成20年度から75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度を支援するために、ゼロ歳から74歳までの方が全員負担することになります後期高齢者支援金が新たに発生します。国保税の場合は、今まで医療分と介護分をそれぞれ計算し課税してきておりましたが、新たに支援金分が加わり課税されることとなります。 現在、税率改定作業を進めておりますが、支援金分については国で定められた単価により試算します。また、医療分につきましては、老人保健拠出金がなくなること、国保から75歳以上の被保険者が抜けること、今後の医療費の伸び、国等からの交付金の額を考慮しながら税率の見直し作業を行っております。見直しの結果、1人当たりの国保税の平均額が大きく上昇する場合は、国保会計の安定的、持続的な運営に配慮しながら、基金の投入について検討してまいります。 次に、診療報酬包括払い定額制度等の後期高齢者への影響についての御質問にお答えをいたします。 社会保障審議会後期高齢者医療のあり方に関する特別部会で取りまとめられました後期高齢者医療診療報酬体系の骨子案は、治療の長期化や複数疾患への罹患及び認知症の問題を抱える後期高齢者の心身の特性を踏まえ、後期高齢者にふさわしい医療を提供することをその基本としております。 具体的には、外来診療、入院診療、在宅診療及び終末期医療のそれぞれにおいて、患者の受診歴の一元的な管理、計画的な入退院指導、医療関係者や患者、家族との情報共有と連携など、主治医を中心とした総合的な診療を行うことを診療報酬上の評価すべき方向と示しております。 この制度の実施に当たりましては、医療だけでなく、介護や福祉などの分野も含めた関係者間で連携しながら進めることが重要であり、このことにより地域の高齢者の安心と後期高齢者医療制度の安定的な運営が図られるものと考えております。 次に、特定健診・特定保健指導についての御質問にお答えをいたします。 平成20年度から基本健診にかわり、40歳から74歳までを対象にメタボリックシンドロームに着目した特定健診が始まります。これまでは基本健診は市町村が行ってまいりましたが、特定健診は医療保険者に義務づけられ、医療保険者が実施することになります。特定保健指導についても同様となります。 これは特定健診・特定保健指導を保険者に義務づけることにより、生活習慣病を早期に発見、予防し、病気の重症化を防ぎ、医療費の削減を目指そうとするものであります。さらに、24年度の目標数値が決められており、国保に関しては健診受診率を65%、特定保健指導実施率を45%、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率10%を達成できなければ、後期高齢者支援金が加算される仕組みとなっております。 国保の特定健診・特定保健指導の費用につきましては、今までの基本健診と同様、国・県からの補助金3分の2、自己負担、税で賄われることになります。基本健診については、住民に対して一般税で賄ってきていましたが、特定健診は国保加入者に対して国保税で賄うという仕組みになりますし、被用者保険の加入者は被用者保険で賄うということになります。 国保税の税率改正に当たりましては、特定健診・特定保健指導の費用も含めて行うことになりますので、国保被保険者への負担が急激にならないよう、基金の投入も視野に入れ税率改正作業を進めたいと考えております。 また、後期高齢者の健診についてでございますが、高齢者の医療の確保に関する法律では、後期高齢者の保健事業は努力義務とされておりますが、岩手県後期高齢者医療広域連合では県内各市町村と共同で健康診査事業及びその他被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うこととしております。 このうち健診事業につきましては、広域連合が各市町村と協定を取り交わし、健診事業を実施した市町村に対して補助金を交付する方式とするものでございます。当市におきましても、広域連合との協定に基づき、後期高齢者の健診を実施していく予定であります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 再質問は後期高齢者医療制度についての方から行います。 市は後期高齢者医療制度の市民への周知徹底について、本年8月以降、広報紙やホームページへの掲載、それから市政番組の放映、生涯学習まちづくり出前講座や町内会等を対象とした個別説明会などを行い、さらに10月1日には市民課内に後期高齢者医療制度相談窓口を設けて、住民や医療機関等からの相談に対応する体制を整えるとともに、個別の相談やリーフレットの配布などによる周知を行っているとしています。 その説明会や相談窓口での市民の反応についてお伺いいたします。また、相談窓口では多分保険料の説明はされていると思いますが、提供する医療サービスの点についてどの程度説明されているのか、お伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) まず初めに、市の方でも後期高齢者医療制度開始に当たりまして、いろいろ説明会等してきましたけれども、その辺の相談窓口とか、そういうものについての市民の反応ということでございます。 まず、基本的に相談窓口を設置はしたんですけれども、直接足を運んで来られる市民という方はほとんどおりません。基本的に電話による質問と、こういうところが主でございます。住民説明会等を行ってきて、やはり一番聞かれるのは、今の納めているお金と、後期高齢者になったとき高くなるの、安くなるの、これがまず第一でございました。これについては、国の税率等決まってないことから、広域連合でも決まっておりませんことから、そんな大きな変動はないですよと、そういう説明をしてきた経過があります。今後は当然保険料が決まりましたので、これを基本的に中心に説明していきたいと思っております。 住民の方々からは、やはり制度の内容を聞いても余り難しくて理解できないというのが率直な感想です。市長の方からも、高齢者に対してはわかるような資料で、わかるような言葉で説明しなさいよと、こういう指導を受けておりますが、なかなかやはり難しいところがございます。 そういう中で、市民の方々にはこのパンフレットをもちまして、今言った制度的なことと、一番重要なところ、要するに後期高齢者に移行した場合、診療がどうなるのかということでございます。特にも今まで行っている助成制度ですね、こういうものはどうなるのかと。これについては、詳しくは申し上げませんでしたが、基本的には今の進めている老人医療の給付制度と、それから新しく始まる後期高齢者の医療制度、大きく変わるところはないと、このような説明の方法をしております。当然、そこで個別に具体的に説明がある場合には、入院費はどうなのと、こういうことについては個別に御説明をしていると、こういう形で進めてきております。 今後とも市民説明には十分対応してまいりたいと思っております。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 窓口を設置したけれども、わざわざ足を運ぶ人はいない。その中でも電話での相談はあると。やはり保険料についての相談が一番多いとのことですが、この間、この制度については、テレビでも放映されていることもあって、高齢者の方々が集まると後期高齢者の制度、これが常に話題になっているようです。少し前までは、やはりわからない人たちも多くて、息子の扶養家族になっているから私は該当しないという、こう思っている方々も多くおられました。この制度が中身がわかりにくいということもありますけれども、しかし、この中身を知るにつれて不安を抱く方々も多くあるということも、そういう現状もあります。 今後、後期高齢者医療制度が4月1日から発足することによって、広域連合との関係で市はこれから出るであろう苦情等に対してどの程度まで対応するのかお伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 来年4月1日からできる限り本当に苦情等ないように一生懸命広報周知してまいりますわけでございますけれども、実際苦情なり質問等出れば、基本的にはその内容によるものとは思います。ただ、やはり市といたしましては、市民直結という考え方でございますので、相談窓口、あるいは問い合わせのあるものについては、基本的にはうちの方ですべて広域連合の方から聞いて確認して答える形をしたいと思います。できる限り窓口で整理できるような、そういう体制で臨みたいと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、その内容によっては、やはり連合の方に問い合わせなければならないものもあるだろうと思います。それは申しわけございませんが、ケース・バイ・ケースで対応してまいりたいと思います。まずしっかりと聞く耳を持って対応してまいりたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) わかりました。ぜひ暮らしにかかわることだけに、相談に来られた方にはきめ細やかな対応で、そしてやさしく丁寧に接していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 当市の後期高齢者の平均保険料ですけれども、広域連合の5万8433円に対して、6万6376円と高くなっております。これは所得割額が高いためですけれども、この平均保険料は年収にいたしますとどのくらいのものになるのかお伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) これはあくまで推計でございますので、概略的な計算の数字だと思って理解していただきたいんですけれども、釜石市の場合は199万2000円、こういう収入になっております。ちなみに、参考までですけれども、県の方を見ますと、県平均ですけれども、187万2000円。計算しますと12万円ですか、県平均に比べて所得が12万多いと、収入が。こういう数字になっております。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) わかりました。後期高齢者の保険料は年金額18万円、月額にいたしますと1万5000円以上の人は特別徴収として年金から天引きとなりますが、年金額が18万円以下の人や無年金者も均等割額で年額1万700円を窓口に行って支払わなければなりません。広域連合では、こうした中から保険料の滞納者となる人数を推計して、保険証を取り上げることまで決めております。 当市の場合、これは平成17年度の国勢調査の後期高齢者の人口で見た場合ですけれども、当市の場合は100人ほどが予想されております。低所得に対して保険料の算定において、世帯の所得水準に応じた均等割の軽減措置が講じられていること、そして医療機関を受診した際の月ごとの自己負担の限度額においても、現在の老人保健制度と同様、一般の被保険者よりも低く設定されていることから、保険料及び給付の両面で負担の軽減が図られるものとしています。 しかし、実生活においては、保険料が払えないと保険証を取り上げられることになりますから、低所得者に対しての何らかの対策が必要と思われます。国会では、自治体による独自の保険料の減免については、妨げられるものではないとの答弁も出ております。当市として実効性ある減免制度を設ける必要があるのではないかと思いますが、お伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 既存の制度の中で、所得割、これで7割、5割、2割とか、こういう軽減措置があるわけでございますけれども、後期高齢者の方に移った場合でも、国保会計ではそのような軽減措置がとられますので、まずはこの軽減措置で進ませていただきたいというのが率直な考え方です。 ただ、今坂本議員さんがお話しされた中で、やっぱり重要なところは、実生活という言葉が出てきたと思うんです。要するに実生活でやはり払えない、こういうところへの考えというものは忘れてはならないと、こういう基本的な考えを私持っております。そういう観点からおきましてですね、これから来年から後期高齢者が進んでいくわけですけれども、国の財源の動向とか、今言った市民の実生活、こういう情報を確認しながら考えてまいりたいと、このように思います。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 実生活を踏まえた上での対処をしていくということでございました。また、平成20年から後期高齢者医療制度を支援するために、ゼロ歳から74歳までの方が全員負担する後期高齢者支援金が新たに発生いたします。現在、税率改定作業を進めているようですが、支援金分については国で定めた単価により試算するとしています。そうしますと、収入のない人もこの対象になることになりますが、その点をお伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) ただいまの御質問ですけれども、簡単に申し上げますけれども、物理的なちょっとお話になりますので、その辺ちょっと物理的にお話ししたいと思います。 まず、基本的に後期高齢者を積算する必要額ですね、これから国・県負担金分を除いて、ゼロ歳から74歳までの人口で割り返します。これが基本的に税という形になります。話はちょっと先ほどに戻りますけれども、軽減措置というところがそこで初めて活用というか、使われることになります。あくまでも税はゼロから74歳で軽減して、その所得に応じた形での軽減措置を講じると、こういうことでございます。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 国保税、これは医療分については老人保健拠出金がなくなるとなくなること、そして国保から75歳以上の被保険者が抜けること、今後の医療費の伸び、国などからの交付金の額などを考慮しながら、税率の見直し作業を行っており、その結果、1人当たりの国保税の平均額が大きく上昇する場合は、国保会計の安定的、持続的な運営に配慮しながら、基金の投入について検討することとしておりますが、現在、基金がどれくらい残っているのか、またそれを取り崩すことで基金がなくなった場合どうなるのかお伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 基金の関係でございますけれども、議員の方々にも6億円程度という話をしておりましたけれども、今年度に入って予算を組み立て、そして戻し入れ、こういうものを含めていきますと、現在で最終的に5億2000万程度の基金残高になるものと思います。それで、これを切り崩していって基金がなくなれば、当然充当はできませんから、当然国保税は上がると、こういうことになってまいります。 ですから、私、5億2000万の基金というのは、決して多いものだと全く思っておりません。とにかくここ数年後には、もちろん2年後には後期高齢者医療制度の中でのまた税率負担というのが改正されるわけでございます。いずれやはり3年間のこの後期高齢者医療制度がしっかり保てるような、そういう基金の取り崩しについても、そういう3年間を1つのスパンとした物の考え方で対応していくべきが適切なのかなと、このように考えております。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 3年間のスパンで考えていきたいという基金の取り崩しについてですけれども、後期高齢者の保険料、これは2年ごとに改定されますが、1つは医療分が増加する、そうなりますと、これによって値上げになる仕組みとなっております。また、患者の増加や医療技術の進歩などによって、医療給付費は今後もふえる見込みとなっておりますし、その1割を75歳以上の保険料で賄う設定にしているために、医療給付費がふえれば保険料もふえることになります。 もう一つは、財源の割合ですが、後期高齢者が払う保険料が10%、ほかの医療保険からの支援金が40%、公費が50%という割合でスタートしますが、後期高齢者の人口比率が増加するのに応じて、払う保険料も将来12%、15%など自動的に引き上がる仕組みとなっております。この保険料ですけれども、この形でいきますと、例えば10年後の高齢者の保険料はどれほどになるのか、わかればお願いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 非常に難しい答えだと思います。10年後というのは、正直言って計算はしてませんし、ちょっと推測はつきません。ただ、今回のやはり医療制度というものは、医療費が増額する実態があるということです。これに対して国、県、市がどういう施策でどういう対応をしていかなければいけないかなというのが社会背景にあるんだろうと思います。 いずれそういうことを考えますと、やはり逆にですね、みんなが健康になれば医療費が少なくなるわけですから、医療費が少なくなれば、当然国保税も下がるということもあると思います。その辺もやはり考えながら、将来的な医療制度、国保税というものは考えていかなければいけないのかなと、そのようには思っております。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 10年というのは長い。確かにそのとおりです。ただ、私が言いたかったのは、年をとれば、やはり自然に医療費がかかってまいります。高齢化の中で、やっぱりその分高齢者は際限のない負担増を強いられていくのではないかという、そういうふうな不安があります。 後期高齢者の医療サービスとして行われる包括医療ですけれども、医療費の抑制を目的としています。答弁では、外来医療、それから入院医療、在宅医療及び終末期医療のそれぞれにおいて、患者の受診歴の一元的な管理、計画的な入退院指導、医療関係者や患者、家族との情報共有と連携など、主治医を中心とした総合的な診療を行うことを診療報酬上の評価する方向としています。 また、この制度の実施に当たっては、医療だけでなく、介護や福祉などの分野も含めた関係者間で連携しながら進めることが重要であり、このことによって地域の高齢者の安心と後期高齢者医療制度の安定的な運営が図られるものと考えていると紹介しておられます。 そこで質問ですけれども、介護や福祉などの分野も含めた関係者間で連携しながら進めることが重要であることについて、具体的にはどういうことを言っているのかお伺いしたいと思います。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 具体的にということでございますけれども、やはりここ私も前市民病院事務長で仕事をしてきたわけでございますけれども、釜石はほかの地域にない急性期、慢性期、そしてどこの地域に比べてもやっぱりすばらしいところは、在宅の医療が今力を入れてやってくださる先生がいるということでございます。この急性期、慢性期、急性期、これをやはり連携していくこと、これが非常にこれからの高齢化社会にとっては重要であろうなと、このようなところでございます。その一つが保健福祉センターなるものがあって、そこで医療モールがあり、そこには福祉をつかさどる行政があるということです。これが私はほかの地域にない釜石の特色のあるものではないかと。これを生かしていくこと、これが介護、福祉などの分野との連携ということにとらまえております。 ○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。 ◆7番(坂本良子君) 本当に連携がとれれば理想的だと思います。ただ、現在、最近のことなんですけれども、病気で入院していた高齢者が24時間の介護を必要とする状態になりながら、病状が安定したということで退院を迫られる中、その受け皿となる特養、ここが待機者が多くて入れない状況ですし、有料老人ホームについても、入居費用の負担が年金では賄えないということで、結局住みなれた釜石から離れていかざるを得ないと、そういう人も現在はいます。このことから見ましても、医療、介護の連携と言っても、その多くは高齢者にとっても、またその家族にとっても、本当に含めても困難が今伴っていると、こういう状況にあります。 またですね、後期高齢者医療制度の実施によって、地域の高齢者の安心と後期高齢者医療制度の安定的な運営が図られていると考えているようですが、後期高齢者医療制度は医療費の抑制を目的とした制度です。ですから、この制度のもとでは高齢者の不安が大きくなることがあっても、安心できるというものではないことは明らかです。後期高齢者医療制度の安定的な運営が図られるということは、高齢者の医療からの追い出しになると思いますが、この後期高齢者医療制度についての問題点をどのように考えておられますかお伺いいたします。 ○議長(松坂喜史君) 市民環境部長。 ◎市民環境部長(山崎義勝君) 後期高齢者医療制度の問題点ということでございますけれども、今議会でもいろいろお話しされている人口構成のお話があります。これは避けては通れない話だと思います。したがいまして、私自身は後期高齢者、ある部分では経過的に問題点はあるんだろうと思います。でも、それは当然一時的なものであるし、これからももっと大きい波を越えていかなければいけないと、そのように考えております。 したがいまして、これから後期高齢者は4月1日から始まるわけでございますけれども、当然問題が出れば、それに国、県、広域連合も含め、市町村も含め頑張るということになるんだろうと思います。当然その数年間のこの後期高齢者の医療制度が進む中で、その結果を検証しながら進んでいくと、こういうことになると思います。 ○議長(松坂喜史君) 7番坂本良子君の一般質問を終わります。 あらかじめ会議時間の延長を行います。--------------------------------------- ○議長(松坂喜史君) 次に、6番海老原正人君、登壇を願います。(拍手) 〔6番海老原正人君登壇〕 ◆6番(海老原正人君) 海盛会の海老原です。 今回は3項目質問いたします。 初めは、野田新市長の施政方針について、次いで防災行政、最後は教育行政についてです。ただ、質問がさきの方と重複するものがあります。通告書の提出に当たりましては、私はルールどおり質問要旨を明確に記しておりますが、いろいろ考える点はありますが、とりあえず通告どおり質問いたします。 まず施政方針について。 小沢前市長の急逝に伴う市長選挙において、野田新市長は無投票で当選されました。これは新市長の県議としての実績を市民が大いに評価し、またそれゆえ、今後に寄せる期待の大きさのあらわれでもあると思います。 無投票選挙とはいえ、市長は候補者として8つの政策、46の目標を記した選挙マニフェストを発表されました。この意欲的な姿勢を私は大いに評価いたしますが、無投票ゆえ市長の意図するところが十分に伝わっていないように思われます。 そこで、主にマニフェストに関連し、6点ほどお尋ねいたします。 初めに、市長としての任期をどのようにお考えかお尋ねいたします。この点はマニフェストにはありませんでしたが、昨今の自治体トップの選挙においては、必ずと言っていいほど任期をどのようにとらえているのかということが論点の一つとして取り上げられています。 自治体トップの持つ権限は、議員とは比べものになりません。それゆえ、長く務めれば必ず腐敗や汚職の原因になるということで、法的に規制する動きも出てきております。達増知事などは2期8年を基本と考えたいと話しておりますが、任期についてマニフェストで言及がないということは、新市長は市民の支持があれば何期務めようが構わないというお考えなのか、この点についてまずお尋ねいたします。 2点目、(仮称)地域会議について。 マニフェストによれば、生活応援センターと町内会、NPO等地域活動団体とのネットワークの形成による地域会議を設置し、地域コミュニティーの醸成や地域課題の解決に向けて、地域として取り組むシステムの確立に努めますとなっております。 そこで、この地域会議はどのような権限を持つものになるのか、議会との関係はどうなるのか、従来の地域懇談会との関係はどうなるのか、さらに、別個に地域生活応援システムの充実、発展を掲げている中で、これとの関係はどうなるのか、イメージとしてなかなかとらえられないものがあります。具体的な御説明をお願いしたいと思います。 3点目、大槌町との合併について。 合併を推進することに何ら異論はありませんが、具体的にどのような推進手段をお考えかお尋ねいたします。新合併特例法は平成22年3月までの期限となっておりますが、この期限をどのようにとらえているのか。さらに、平成17年度の1人当たり市町村民所得において、釜石市と大槌町の間に約95万円ほどの差がありますが、この点をどのように見ているのかお尋ねいたします。 4点目、道路整備について。 先月、国土交通省から道路の中期計画素案が発表されました。それによりますと、今後10年間の中期計画における事業量を65兆円とし、その中には三陸縦貫自動車道、東北横断自動車道ともに2車線で整備すべき路線として掲載されておりますが、外部効果を試算した重みづけ偏差値は決して高いものではなく、それゆえ建設のおくれが懸念されます。今月7日には、政府与党間で来年度から10年間、暫定税率の維持と中期計画の規模を59兆円以内にすることが決まりました。 ところで、民主党は道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止を主張しております。このことは地方の道路整備のおくれを意味します。新市長は選挙直前まで民主党党員でありましたが、今後基幹となるこの地域の道路網の整備について、現在どのようにお考えかお尋ねいたします。さらに、縦貫道の新町ワンタッチについて、このたびの中期計画の素案に見られるように、釜石吉浜間の整備がおくれることを見越しての次善の策と思われるため、対象地域住民の理解を何としても得て、企業誘致を確実なものとするためにも、早急に整備に取りかかるべきと考えますが、市長の見解を求めます。 5点目、大規模商業施設誘致と温浴施設の設置検討について。 大規模商業施設誘致と温浴施設設置は、多くの市民の望むところと思います。大規模商業施設誘致については、いろいろな話が出ては立ち消えとなっておりますが、マニフェストに掲げるからには、それ相当の目算がおありのことと思いますが、具体的な構想についてお聞かせ願いたいと思います。 温浴施設については、小沢前市長も選挙公約に掲げましたが、当初は健康センターに併設ということでしたが、病院統合に伴い、健康センターの新設が困難となり、温浴施設についても実質的に不可能となりました。大槌町にも温浴施設がことし新設されたわけですが、このような状況の中で、果たして釜石市内に温浴施設設置が可能なのか、採算性を考えれば疑問が生じるところです。公的なものとして取り組むのか、単に民間の動きに任せるのか、その構想についてお尋ねいたします。 6点目、市民と話す日並びに市役所職員削減について。 市民と話す日は具体的にどのような実施形態をお考えか。さらに、職員の削減について、市では既に集中改革プランに基づき、平成17年度から定員適正化計画を実施し、平成27年度までに全会計ベースで178人--31.4%になりますが--の削減を決め、それに合わせてことし3月議会において、職員定数の見直しを行っておりますが、新市長の言われる職員削減はこれに上乗せするものなのかどうかお尋ねいたします。 続いて、防災行政について。 防災行政ということで、大町、只越一帯の雨水対策についてお尋ねいたします。 近年は異常気象が頻発していますが、平成に入ってからでも、14年、18年、ことしと駅前が冠水し、通行どめとなるような事態が発生しています。とりわけ14年7月の台風6号による被害は甚大で、総雨量376ミリを記録し、大町で64世帯が、只越町では140世帯ほどが浸水被害に遭いました。 このようなことから、市街地を流れる雨水幹線の汐立川に強制排水するためのポンプ場の建設が16年度には打ち出されてきました。ところが、小沢前市長は施政方針演述で「汐立雨水ポンプ場建設に向けた取り組みを進め、快適で安全な生活環境の実現に努めます」と17年度、18年度と述べているにもかかわらず、事業は一向に進展を見ないままで、ついに今年度施政方針演述からは汐立雨水ポンプ場建設という文言すら削られてしまいました。 そこで当局にお尋ねいたします。 今まで進められてきた汐立雨水ポンプ場建設は一体どうなったのか。明確な説明もないまま、汐立雨水ポンプ場建設が施政方針から外れたのはどういうことなのか。今後この地域の雨水対策をどのように進めるのか。防災行政としては最重要課題と思いますが、当局の見解をお尋ねいたします。 続いて、教育行政について4点ほどお尋ねいたします。 まず初めは、43年ぶりに行われました全国学力テストと県が独自に行っています学習定着度状況調査、いわゆる県学力テストについてお尋ねいたします。 全国学力テストは、市町村ごとや学校ごとのランクづけが目的ではないということで、大まかな結果しか新聞紙上などでは公表されておりません。それを見ますと、岩手県の場合、小学生段階では全国で10位に位置しているものが、中学生段階では39位と大きく後退しております。 そこで、釜石市の場合はこの学力テストの結果はどうであったのか、このテストの結果から読み取れるものはどういうものなのか、今後の学習指導において具体的にどのような点が重点的に指導されることになるのかお尋ねいたします。 また、今年度は岩手県単独で実施された県学力テストから得られる知見と全国テストのものとはどのような相違が見られるのかお尋ねいたします。これらテストの結果から、市内の義務教育においては、今何が最も一番必要とされているのかお尋ねいたします。 続いて、中学生の海外派遣事業についてお尋ねいたします。 この事業について、私は既に何度か取り上げていますが、当局のお考えがいまだよくわかりません。15年度を最後にこの事業はとまっていますが、継続を訴える私の質問に対し、教育長は16年12月議会で次のように答弁しています。「国際的視野の拡大や国際感覚を身につけるなど、事業目的どおりの成果が得られております。しかし、教育委員会といたしましては、当面緊急の課題である学校統合、新しい校舎の建築を初めさまざまな課題がありますことから、今年度は休止したところであります」。 私はこの答弁をお聞きし、校舎建設後は再び再開されるものととらえておりました。また、第五次釜石市総合計画「スクラムかまいし21プラン」においても、平成22年度の目標値が140人と明記されています。しかしながら、総合計画の17年度実績報告書では、22年度の目標値は140人としながらも、前期目標達成率86.4%で事業完了と記しています。当局の言う事業休止は、事業廃止ということなのか、明快な答弁を求めます。 3点目、体験教育についてお尋ねいたします。 今議会において、釜石市千年の森条例の制定が審議されることになっていますが、当初不伐の森ということで提唱した者として大変うれしく思います。この釜石千年の森も、野外体験教育の場として活用されていくものと期待いたしますが、釜石の場合、山と同様にすばらしい海があります。このすばらしい海を生かすべく、観光船はまゆりが湾内遊覧観光を行っていますが、一度もこのような船に乗船する機会もないままに成人して、釜石から出ていく人も多いと聞いています。母子家庭や父子家庭など子供が船に乗ることを望んでもかなわず、この地に生まれ育ったならば、だれでもが体験してしかるべきものを、諸般の事情が許さず、地域のすばらしさを体感できぬままに成長し、釜石から出ていかざるを得ない人がいるということは非常に悲しいことです。 そこで、私はせめて義務教育期間中に一度は観光船はまゆりに乗船し、釜石の海の魅力を少しでも感じ取ることができるように、教育委員会が主体となって取り組むべきではないかと考えます。当局の見解をお尋ねいたします。 最後に、社会教育との関連で大橋鉱山の事務所解体に伴う事柄についてお尋ねいたします。 既に当局も確認済みのことと思いますが、大橋鉱山の事務所となっている建物が老朽化のため、今年度中に解体されるとのことです。このような中、先月30日に釜石市は新たに鉄鋼産業遺跡群として経産省から認定されました。建物の保存を求める要望も提出されているようですが、対処について見解を求めます。 壇上からは以上です。再質問は自席にて失礼いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(松坂喜史君) 市長。 〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 海老原議員の御質問にお答えをいたします。 まず、任期についての考え方ですが、責任を持って市政運営に当たるためには、2期8年が基本になるものと考えております。その後につきましては、その間の実績や2期目が終了する時点での状況などから、引き続き市長としての職責を果たしていかなければならない場合もあるのではないかと思っており、その際は1期ごとに判断していくことが筋であると考えております。 多選の制限につきましては、過去に何度か国会に多選禁止の法案が提出されておりますが、職業選択の自由など、憲法に触れる可能性があるとして廃案となった経過があります。しかし、本年5月、総務省の首長の多選問題に関する調査研究会において、首長の多選制限を合憲とする見解が出され、10月には神奈川県で知事の任期を連続3期12年までとする知事多選禁止条例が可決されたほか、幾つかの自治体で多選自粛の条例が制定されております。 一方、同研究会では、多選制限を制度化するためには、法律に根拠を置くことが必要であり、地方自治法において規定することが適当であるとの提言も行っており、また、法律による制限に慎重な意見もあるところでございます。神奈川県知事の多選禁止条例におきましても、施行日は別に条例で定めるとしており、施行は地方自治法などの改正を待って行われるものと見られております。 このように多選制限は地方自治制度に大きな影響を与えることであり、今後幅広く議論が行われていくことになると思われますので、その動向に注目してまいりたいと思います。 次に、地域会議についての御質問ですが、現在、内閣府に設置された地方分権改革推進委員会では、国のあり方、国の形そのものにかかわる重要な政治改革として、地方が主役の国づくりを基本的な考え方に据えて、地方分権改革を推進しております。 そこで、地方においても、地方が主役という新しい時代に即した新しい住民自治の創造と特色ある地域づくりを推進し、あらゆる面において自立した地方自治体制を確立することが求められております。つまり地方分権を見据え、分権型社会の構築に向け、市民一人一人が地域の担い手であることを自覚し、主体的に地域づくりにかかわることにより、地域の発展と自立を進める必要があるということでございます。まさにこれが地域会議設置の目的であります。 先日、庁内に地域会議推進検討会を設置し、地域会議の中身の詳細を詰めさせておりますが、現時点では生活応援センターを区域単位に、センターと町内会、市民活動団体や従来から地域の中心となって活動している民生委員等の皆さんによる地域会議を来年度早々に設置し、地域の課題やそれぞれの役割を話し合い、それに基づいて各自が課題解決に向け活動していくことをイメージしております。 ここではまだセンターが中心でありますが、将来的には住民が主体となり、地域会議が地域課題解決の事業を選択、実行する権限を持ち、地域懇談会や市長要望を主催する住民みずからが地域経営を行うシステムの確立を目指していくことも可能かと考えております。加えて、これは地域生活応援システムの発展形である住民主体のまちづくりの方向性とも一致するものであります。 また、議会との関係ですが、先ほど述べました地方分権改革は、自治行政権、自治立法権、自治財政権を十分に具備した地方政府の確立を目指し、条例制定権の拡大等を進めておりますので、市全体の方向性を議論するなど、議会の役割はこれまでにも増して重要になっていくものと考えております。 次に、市町村合併についての御質問ですが、合併推進に当たっては、県あるいは行政区域にとらわれず活動を展開する民間団体など、市町村という枠を越えた事業や活動を展開する第三者が働きかけを行い、市はその働きかけに対し話し合いの場を設けるなど、後押ししなから進めることが効果的であると考えております。 しかし、合併には相手があり、当市だけの考えだけではなく、相手となる自治体の事情や住民の声にも配慮し、互いに議論を重ね協調しながら進める必要があります。行政が牽引しながら取り組みを進めるのでなく、市が合併した場合のメリットやデメリットを具体的に話し合う場を設け、市と町、相互の適切な情報を提供することで、住民が的確に判断することができると考えます。 このようなことから、大槌町との合併につきましては、当面市が取り組みを支援し、県、大槌町、地域との意見交換を繰り返し行いながら、合併新法の期限である平成22年3月31日を視野に入れ、議論を重ね推進してまいります。 次に、1人当たり市町村民所得の御質問でございますが、市町村民所得の推計は、市町村における経済活動の結果を生産と分配の2面からとらえ、市町村経済の規模、産業構造、所得水準を明らかにし、地域の経済状態を示す指標で、分配を雇用者報酬、財産所得、企業所得の3つに区分しております。平成17年度の1人当たり市町村民所得の県内市町村平均は235万9000円で、前年度236万9000円に比べ0.4%減少しており、企業所得と雇用者報酬の落ち込みが主な要因であると考えられます。 県内市町村平均を上回っている市町村は、製造業の好調な金ケ崎町が360万円で最も多く、次いで盛岡市、北上市、4番目が釜石市、そして矢巾町、滝沢村の6つの市町村となっており、平均を100とした広域振興圏別の水準は、県央は113.5、県南が98.7、沿岸が87.2、県北が77.7で、県央と県北・沿岸に大きな開きがあります。 当市と大槌町とを比較した場合、当市は265万7000円、大槌は170万4000円で、議員御指摘のとおり約95万3000円の1人当たり市町村民所得の差がございます。さらに、3つの分配をそれぞれ比較した場合、いずれも当市が上回っており、特にも1人当たり企業所得の差が約73万3000円と大きくなっております。このような開きは、当市が誘致した従業者300人以上の大規模事業所が大きな利益を上げ、市内全体を底上げしていることなどが主な要因であると考えられます。 県は企業所得や雇用者報酬などの落ち込みにより、なかなか上向かない県内経済の状況を考慮し、現在策定中の新しい地域経営の計画で、県民所得の向上を重点課題に掲げ、目標年度の平成22年度までに平成12年度の所得水準である260万円台までの引き上げを図ることにしております。 当市といたしましても、新たな企業立地の推進、新規産業の創出など、産業振興策を強化し、県及び民間事業者と連携、協力しながら、総体的な取り組みを進めてまいりたいと思います。また、釜石大槌地域におきましては、鵜住居地域への誘致企業の進出により、大槌町からの雇用も見込まれ、地域全体での経済の振興が図られることが期待されております。 次に、道路網整備についての基本的な考え方と新町接続計画への取り組みについての御質問にお答えをいたします。 本年3月18日に仙人峠道路が開通いたしました。この開通により、雇用1000人規模の企業の進出決定や内航フィーダーコンテナトライアル事業の実施、さらにはゴールデンウィーク期間中のイベント等においては、観光客数が前年比77.1%増となるなど大きな効果がもたらされました。 この仙人峠道路が将来組み込まれる予定である東北横断自動車道釜石秋田線釜石花巻間の整備状況ですが、遠野・東和間が新直轄方式により本年度も77億9000万円の事業予算が投入され、宮守・東和間においては白土トンネル、田瀬橋など23件の工事が進行中で、進捗率は33%となっており、また宮守・遠野間においては設計業務とともに、一部用地買収が進められているところであります。 次に、三陸縦貫自動車道釜石山田道路でございますが、片岸町から両石町水海までの区間4.6キロメートルを先行整備区間として、平成22年度の供用開始を目指し、本年度は35億円の予算が投入され工事が進められております。去る7月25日には両石トンネルの貫通式が行われ、また両石高架橋の下部工工事も順調に進み、恋の峠トンネルや鵜住居第一高架橋などにつきましても、年度内に工事発注されると伺っております。 当市の高規格幹線道路網につきましては、産業振興や地域の活性化はもとより、救急医療体制の構築や災害時の救急救命活動など、市民が安全に安心して生活していくため、その整備が必要であると考えております。 去る11月13日に国土交通省から公表されました道路の中期計画の素案において、現在基本計画のままで当市の懸案となっておりました東北横断自動車道釜石秋田線釜石花巻間のうち、釜石・遠野間と三陸縦貫自動車道の釜石・吉浜間が組み入れられることとされております。また、12月7日には政府与党において、道路特定財源の見直しが合意され、真に必要な道路の計画的推進、地方道路整備臨時交付金制度の改善、暫定税率維持など地方に配慮した内容となっております。 当地域高規格幹線道路の路線評価の重みづけ偏差値では、地方の創意工夫による自主的取り組みについて、60点台後半から70点台と高い評価を受けたものの、議員御指摘のとおり全体としては決して高い評価を受けていないことから、建設の際の優先順位が下がるのではないかと懸念されるところであります。当市のまちづくりに対する取り組みと道路の必要性を関係機関にさらに御理解をいただき、早期完成を図る必要があると考えております。 今後は議会や市民の皆さんと一体となって、東北横断自動車道釜石秋田線釜石花巻間並びに三陸縦貫自動車道が早期に整備されるよう各種取り組みを進めてまいりたいと存じます。 次に、新町接続計画の取り組みについての御質問にお答えをいたします。 三陸縦貫自動車道釜石山田道路の両石町水海から釜石インターチェンジ間につきましては、さきに申し上げましたとおり、産業振興はもとより、市民の安全・安心を守る幹線道路であります。このことから、早期の開通による効果の発現を目的とし、平成17年12月に国道283号新町付近に接続する新町タッチ案が示されたところであります。 本計画につきましては、市民代表、有識者、地域住民の方々から広く意見を伺うため、地域懇話会、地域懇談会をそれぞれ開催し、8月29日の地域懇談会では国道283号の交通渋滞シミュレーションや開通後の将来シミュレーションを交え、住民の皆様に具体的な情報提供をするとともに、当市の発展に必要な道路であることの理解を求めました。 また、直接影響を受ける新町地区を対象とした地域住民懇談会、現地調査、意見交換会をこれまで4回開催したほか、個別の対応策として、本年9月から三陸国道事務所、岩手県、釜石市の三者協力のもと、かまやま相談室を開設し、計画内容の説明や心配ごとへの相談にお答えをしているところであります。 この現地相談会や地域懇談会におきましては、「釜石市の発展のため、早期に整備をしてほしい」「代替地対策や補償を心配している」などの御意見が寄せられました。地域の皆さんには御心配をおかけしたところでございますが、当市といたしましては、今後これらの意見を十分に踏まえまして、家屋移転者の代替地対策などにきめ細やかな対応を行い、地域住民の御理解と御協力のもと、新町接続計画を推進してまいりたいと存じます。 次に、大規模商業施設の誘致についての御質問にお答えをいたします。 本年3月に開通した仙人峠道路の整備効果は、観光客の増加など交流人口の増大に結びついた反面、内陸部に買い物に出かけるきっかけとなって地元購買率の低下を招くなど、商業の振興に影響を及ぼしているのが現状であるととらえております。 このため、釜石商工会議所では、当市の消費購買率向上事業補助金を活用して、フリーペーパーのサニーウォークを作成し、商店の逸品や独自のサービスをお知らせしているほか、商工会議所独自でもサニーウォークの別冊を発行するなどして消費の流失を抑えるよう努力しているところでございます。 この消費購買率を向上させるためには、商工会議所の取り組みや個々の商店の自助努力のほかにも、一定規模の商業施設を核とした商店街の形成が不可欠であると考えます。当市の中心市街地は、東前町から大渡町までの東部地区、釜石駅周辺の鈴子地区、そして中妻町から新町までの西部地区で形成されておりますが、私はにぎわいの創出による魅力あふれるまちづくりを進めるためには、この3つの地区がそれぞれ機能を分担し合いながら共存して、そして持続的に発展していかなければならないと考えております。 そのため、東部地区は都市再生整備計画に基づき、まちなか居住人口を増加させることによってにぎわいを創出するなど、コンパクトシティの形成を目指し、地域に根差したスーパーなどを核にしながら、商店街の活性化を図ってまいります。 また、鈴子地区におきましては、家電や医薬品の量販店に加え、来年春には生鮮食料品店のオープンが決定しておりますが、引き続きロードサイド型ショップの立地を促しながら、その機能を高めてまいります。 さらに、西部地区については、現在ショッピングセンターやホームセンター、レストランなどが立地しておりますが、当該地区は三陸縦貫自動車道釜石山田道路の国道283号線への接続地点として計画されております。このようなことを展望し、西部地区には大槌や山田、大船渡、遠野などからの集客も視野に入れた食料品や衣料品など多様な業種の大規模商業施設を誘致したいとマニフェストに掲げたところでございます。 次に、私がマニフェストにおいて公約とした温浴施設の設置についての御質問にお答えをいたしたいと思います。 市民が一日の疲れをいやし、あすへの活力を得、健康増進を図る施設として、温浴施設は市民が最も望んでいる施設の1つであろうと認識をしております。地域住民に切望される温浴施設は、県内各地で建設され、その運営もブームの当初は公的施設が多く見られ、その後、主流は民間施設へと推移してきております。したがいまして、私はこれからの温浴施設のあり方は、基本的に民間活力の導入による事業展開であるべきと考えております。 しかしながら、これまで温浴施設の設置について多くの議論があったものの、実現していない現状を踏まえ、小規模であっても実現可能な機会をとらえて確実に実現させる施策を検討すべきと考え、マニフェストに掲げたところでございます。 具体的には、新清掃工場の温水を活用した温浴施設や、大橋地域におけるたたら製鉄体験等のイベントと連動した季節限定の簡易な温浴施設などを検討し、民間事業者の手による事業展開を誘導する施策を考えてまいりたいと存じます。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き教育長、総務企画部長並びに建設部長が答弁をいたします。 ○議長(松坂喜史君) 教育長。 〔教育長河東眞澄君登壇〕 ◎教育長(河東眞澄君) 私からは、教育行政にかかわる御質問にお答えいたします。 まず、学力テストについての御質問でありますが、全国学力テストの結果の釜石市の場合につきましては、正答率や正答数などは非公表事項になっておりますので、おおよその状況についてお答えいたします。 小学校6年生国語については、知識に関する問題でも、活用に関する問題でも、釜石市は県よりもやや低いが、全国よりも高い状況にあります。算数では、知識に関する問題と活用に関する問題ともに県よりも低く、また国よりもやや低い状況にあります。 中学校3年生では、国語の知識に関する問題と活用に関する問題、数学の知識に関する問題では全国及び県よりも低いのですが、その差はわずかとなっています。数学の活用に関する問題は、全国が60.6点に対し、県は58.2点で、釜石市は県よりも下回っております。 市全体で見ると、中学校の数学は大きな課題が残りますが、他については、小・中学校とも理解度を中心に総じて良好と言えるととらえております。特にも小学校国語は良好と言えます。県の学力調査では、釜石市の場合は、小学校は国語も算数も県の平均正答率を上回っています。中学校は英語と数学は県平均正答率を上回っていますが、他の教科は下回っています。 今後の指導の重点でありますが、知識や技能等の習得型の学力と活用型の学力とを両輪に育てる指導が必要となると考えております。具体的には、内容理解だけではなく、実際の場面で転化して活用できるような力をつけることを目指し、体験を通した思考の訓練をする学習場面の設定が一層必要となってくると考えております。 昨年度実施された4県テストと今年度実施の全国学力テストの結果にはほとんど相違がなく、ほぼ同じ結果、状況でありました。4県テストで指摘されていたことが今回の全国学力テストで改めて検証されたと言えます。 これら両テストの結果から読み取れることとしては、国語、算数、数学では、知識に関する問題と活用に関する問題の正答率を比べると、活用に関する問題の正答率が低く、このことから知識、技能等をさまざまな場面に活用する力が十分に育っていないととらえることができます。また、記述式の問題の正答率が低く、根拠となる考えを記述するときに無答も多く見られたことから、記述式の問題になれていないことや、考えを書きまとめるという表現力が十分に育っていないことがとらえられます。 今後、当市の学校で指導上十分心がけていかなければならないこととしては、知識、技能等の学力をしっかり身につけさせる過程で、活用の学力も同時に身につけさせるという表裏一体型の授業を一層目指すという教師側の授業改善であります。また、わかるようになりたい、できるようになりたい、認めてもらいたいという児童・生徒の切実な願い、思いをくみ取ることができるよう、教師側の感性、感覚を培い磨く自己研修を持つことです。そして、その上に、家庭の協力のもと、家庭学習の習慣化をもっともっと図る必要があると考えております。 次に、中学生の海外派遣事業についてお答えいたします。 この事業は、国際的視野の拡大や国際感覚を身につけたこれからの釜石を担うリーダーの育成、また、実際に外国を体験することによって、国内で得ることのできない成果、さらには長い目で見た場合の派遣先との交流への発展の可能性等々のことを考え、教育委員会において意義ある事業と考えております。 しかし、昨今の厳しい財政状況の中での費用対効果から、本事業の対象が一部の生徒であるということから、また、現在推進している国際理解教育事業の中で、ある程度の内容の代替が可能であることから、そして、本事業よりも喫緊に優先されなければならない事業が多々あること等々から、引き続き当分の間休止が妥当であると考えております。財政状況や社会情勢等の変化が生じた場合には、事業の再開の検討を改めて行ってまいりたいと考えております。 次に、観光船はまゆりの体験乗船の機会の設定についての御質問にお答えします。 市内各学校では、社会科学習や校外学習の中に市内の名勝や史跡、各種事業所等々を積極的に組み入れて郷土を知る学習を行っております。観光船はまゆりに乗船しての学習を実施している釜石市内の学校がありますが、市内には見学学習対象にぜひ選定してほしいというところは多種ありまして、学習の実施やそれに伴う見学先や学習対象、交通手段等の決定、判断は、児童・生徒の実態に照らしながら各学校で行うこととしております。 今、はまゆりに乗船しての学習だけを特定して市が義務づけることはできないのですが、今後、議員御指摘にありますように、他の例えば橋野高炉跡や鉄の歴史館等々の箇所も含めまして、中学校卒業までには可能な限りどの箇所も一度は見学、体験ができるように、各学校への指導をさらに行ってまいりたいと考えております。 なお、市内も含めて社会科見学や校外学習にかかる経費についても、修学旅行等と同じように生活保護の御家庭には減免を行っておりますが、全児童・生徒への減免措置としては、今後関係課と協議、検討してまいりたいと思います。 次に、釜石鉱山に関する御質問にお答えします。 釜石鉱山株式会社から、事務所を解体し移転するので展示室資料を寄託したいとの申し入れを受けたので、関係課で協議を行い、資料の寄託を受けることとしております。また、釜石鉱山事務所の建物についてでありますが、文化財保護審議会及び郷土資料館運営委員会の方々から、建物を保存、活用してほしい旨の意見がありましたことから、日鉄鉱業株式会社に対し、事務所等の保存について要請したところ、「建物の解体は見送る」「資料は無償で寄託する。ただし、重要なものは引き揚げる」「事務所の活用及び管理について具体的な提案をしてほしい」との回答をいただきました。今後、旧総合事務所の建物と展示物について、その活用策を検討してまいります。 なお、日鉄鉱業株式会社の意向として、重要な資料は本社に引き揚げるとのことでありますが、引き揚げる資料の複製や写真等による記録などについても、釜石鉱山株式会社と協議を行ってまいります。 また、社団法人岩手県建築士会から、旧総合事務所の建物等は、釜石の歴史の中で貴重な産業文化遺産であると考えられるので、鉱山周辺の建造物や構築物なども含めて保存、活用をお願いしたいとの要請を受けております。この旧総合事務所は建築後55年経過し老朽化が進んでいる上、その他の施設についても相当年数が経過していることから、これらの建物の保存や管理に係る必要な調査や耐震診断の実施などについては、同建築士会の協力や助言を得たいと考えております。 ○議長(松坂喜史君) 総務企画部長。 〔総務企画部長岩鼻弘君登壇〕 ◎総務企画部長(岩鼻弘君) 私からは、市民と話す日並びに職員削減についての御質問にお答えをいたします。 まず、市民と話す日につきましては、広く市民の声を聞きながら、市民総参加の協働による開かれた市政を推進するため、市長と市民の皆さんがひざを交えてざっくばらんに話をする機会を新たに設けるものです。市民の生の声、考えを聞き、情報を共有する場として考えており、その形式については特にこだわらず、フリートーク形式で多くの市民の皆さんに参加していただけるものと考えております。 会場は市内6カ所の生活応援センター単位で開催するほか、平田地区におきましても開催を考えております。回数と時間は月1回程度、2時間を目安に考えており、1月から順次開催する予定で準備を進めているところであります。 次に、職員の削減についての御質問にお答えいたします。 職員の削減については、行政改革大綱に基づき、平成17年4月1日の全会計職員数567人を平成27年4月1日までに178人を削減し、389人にする定員適正化計画に取り組んでおります。計画の進捗状況は平成19年4月1日現在468人と見込んでいた計画に対し、458人となっております。これは平成18年度中の早期退職者が多かったことと、平成19年4月1日付の新規採用職員を抑制したことによります。また、現時点で本年度の退職予定者は20人、新年度の新規採用職員は5人を予定していることから、平成20年4月1日の職員数は457人の計画に対し443人になる見込みであります。 以上のことから、現段階では計画を上回る職員を削減している状況となっております。しかしながら、今後の職員の退職状況や行政需要など、予測できない要素があることから、現段階では計画の見直しは行わず、今後も適正な定員管理に努めながら、職員の削減を確実に実行してまいります。 ○議長(松坂喜史君) 建設部長。 〔建設部長岩間正行君登壇〕 ◎建設部長(岩間正行君) 私からは、大町、只越町一帯の雨水対策についての御質問にお答えいたします。 汐立ポンプ場建設についてでありますが、この雨水ポンプ場は大町、只越地区など市街地の雨水対策として、平成3年度に都市計画決定を行い、平成4年度に下水道事業と都市計画事業の認可を受け、計画を進めてまいりました。 平成14年7月11日の台風6号により、市街地が浸水被害を受けたことから、約13億円の総事業費で平成16年度から6カ年の計画で事業を進めることとし、平成16年度には調査及び基本計画を策定しております。平成18年度ポンプ場を設計する際、最も重要である潮位データの見直しがあり、今まで採用していた釜石検潮所の潮位が、50センチ程度低い気象庁公表のデータに修正されたことから、汐立川河口部に計画していたポンプ場の位置では雨水対策の効果が不十分となり、ポンプ場の位置の変更を含めた見直しが必要となりました。このことから、新たな対処方法について国、県及び専門家等を交え、解消方法の協議を行っているところであります。 現在、汐立川へ集中して流れ込む雨水を分散化する水路工事を行うなどの対策や既設水路の流下能力確保のため、定期的な土砂上げを行っておりますが、引き続き雨水の流入箇所の改善や点検パトロールを強化し、水害の軽減を進めてまいります。 なお、整備の方法として、汐立川流域の沢々から流入する雨水経路の変更、水路の拡幅やしゅんせつ、市街地に設置するポンプ場などさまざま考えられますが、いずれの方法も課題が多いことから、計画を策定する際には地域住民と協議を行う等、連携を図りながら取り組んでまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(松坂喜史君) 海老原正人君。 ◆6番(海老原正人君) 御丁寧な答弁ありがとうございました。 時間が余りありませんので、二、三申し述べて終わりたいと思います。 まず初めに、教育長へ。 中学生の海外派遣制度と観光船はまゆりの体験乗船、このことについては、ぜひ私は再検討をお願いしたいと思います。海外派遣事業につきまして、私、過日大槌町の町民の方と話す機会がありました。その際に、大槌町の中学生や高校生が最近、学業の面においても、クラブ活動の面においても、特に伸びを示している、そのようなことに話題が及びました。その要因は何であるか。その大きな要因の一つに、大槌町で行っている海外派遣制度があるんだというお話でした。その制度に参加した子供たちが大きな牽引力となって、さまざまないい影響を及ぼしている。これが大槌町の高校生や中学生が伸びている大きな要因だとその方はそのように話しておりました。ですから、そのような事例をよく検討されて、釜石市の場合もぜひ再検討をお願いしたいと思います。 それから、観光船はまゆり、これは各学校に任せたのでは、学校にさまざまな行事を選択するだけの予算の余裕がない状況にあっては、私は現実的にやらない、そういうことだと思います。ぜひそうではなく、再検討してほしいと思います。 私は言葉には二通りあると思います。頭で考える言葉と体で感じて体による言葉です。教育の場においては、学ぶことの必要性、それは生きる力であると教育長は話されております。その生きる力の両輪は何かといいますと、頭で学ぶ言葉、頭でつくる考え、それが1つ。そしてもう一つは、体で感じる言葉、それがもう一つの車輪になっていると思います。 テスト結果にもあったように、活用におけるテストの学力が低い、これはとりも直さず、私は体験が欠けているからにほかならないと思います。ぜひ体験ということを重視していただきたいと思います。 特にも、釜石市では観光船はまゆり、この運航につきまして、年間およそ5000万円ほど運航委託料として出しております。現在、市内の小・中学生合わせておよそ4300人です。そして、その中に母子家庭、父子家庭、これが合わせておおよそ500世帯です。1世帯に1人の児童・生徒とすると500人、4300の500、おおよそ11%です。仮に2人の子供がいるとなれば23%、それだけの生徒、子供、それが母子家庭、父子家庭なんです。 そのような家庭が果たして余裕を持ってはまゆりなどの体験乗船ができるかといいましたら、それはまず不可能なんです。これは私は市長にもぜひ考えてほしいと思います。市長にもお子さんがいると思いますが、まず間違いなくはまゆりの体験乗船をされていると思います。果たして母子家庭や父子家庭のところでできるか。1%や2%の割合であればまだしも、10%以上の割合の子供たちがそのような状況にあるわけです。これは私は市が何としても対応しなければならない問題だと思います。そのような意味で、ぜひ再検討をお願いしたいと思います。 それから、市長に。 たまたま過日テレビを見ておりましたら、アメリカの大統領予備選挙の様子を映しておりました。そのときにヒラリー・クリントンが壇上に上がるや否や言った言葉は、聴衆をこのように指差しながら、「アー・ユー・レディー・フォー・チェンジ」、その後に続く言葉は残念ながら理解できませんでしたが、皆さんおわかりのように、どういうことかといいますと、私が政権を握ればアメリカは変わりますよ。変わるためのあなたは心の準備ができていますかと、そのような問いかけです。 アメリカですら、チェンジ、変わることの必要性が言われております。いわんや日本、そしてこの釜石にあっては、変わる、変革の必要が当然求められております。市民はその変革を求めて野田市長を選んだものと私は思います。単に小沢市政の継続を望んだわけではありません。より確かな釜石に変化することを市民は切望しております。 今回、市長が御答弁された内容をぜひ深められ、市民の期待にこたえる市政の展望となることを強く望んで、私の発言を終えます。ありがとうございました。 ○議長(松坂喜史君) 6番海老原正人君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(松坂喜史君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日は以上をもって散会いたします。                午後5時28分散会                          釜石市議会議長 松坂喜史                          釜石市議会議員 細田孝子                          釜石市議会議員 佐々木義昭...